.254. ページ4
『ちょっ!!やばいって!!』
希空達の上にキュラソーとトラックに板挟みされていた軽自動車が降ってきた
零「お前……希空本人だろ……」
『あっ…』
秀一「ハァ……」
『って、それよりも避けないとっ!!』
零「……チッ」
《だから、怖いって!!》
秀一と零は近い距離で並走していたため、軽自動車の下敷きにならないように距離を取った
ドオンッ!!
『っ!!』
ちょうど2台の車の間に軽自動車は落ちてきた
乗っていた人達も無事だったようだ
『あ、危なかっ─』
キキッ
ゴンッ!!
『いっ!!』
秀一が急ブレーキを掛けたため希空はグローブボックスに頭を打ち付けた
秀一「おい、大丈夫か?」
『だ、誰のせいだと……』
希空はおでこを擦りながら秀一を睨み付けている
秀一「そう睨むな……」
『…ったく……てか、追い掛けなくていいの?』
秀一「恐らく奴はこちらに戻って来るだろう…」
『え?なんで?』
秀一「この先は渋滞だからな…」
『……あー、逆走してくるってこと?』
秀一「あぁ…それを迎え撃つ」
『いやいや、先に教えてよ…報連相大事!!』
秀一「………善処しよう」
『それ、さっきも言ってたから…』
秀一「それよりも俺から離れるなよ」
『逆に離れたくないわっ!!』
《離れた瞬間車に轢かれる気がする…》
秀一「ホォー…今日はやけに素直だな……」
『秀さんはポジティブだね…』
秀一がライフルを組み立て始めたため、希空はそれを静かに眺めている
しばらくすると
ガーーーーッ
『!!』
秀一「来たか……」
キュラソーが本当に逆走して戻って来た
秀一「希空…俺の傍にいるんだ」
『あっ、うん…』
秀一はキュラソーが乗っている車のタイヤに狙いを定めた
《キュラソー…スピード出し過ぎじゃね?私達のこと思いっ切り轢く気満々だよね?》
希空はハラハラしながら秀一の服を掴んだ
ガウンッ!!
『わっ!!』
秀一が銃弾を放つと
パァン!!
見事タイヤに命中した
《すご………》
パンクしたタイヤのせいで上手く操縦出来なくなってしまった車はそのまま海へと転落した
秀一「逃したか……」
秀一がそう呟いた瞬間
ドオンッ!!!!!
『きゃっ!!』
秀一「希空!!」
車が大爆発したため秀一は希空に覆いかぶさった
秀一「大丈夫かっ!?」
『う、うん…秀さんが守ってくれたから……』
秀一「そうか…」
442人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ