私の妹は異能がない (ページ22)

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20話ページ22

太宰サイド

『Aちゃんが雨水をかけたからね』

態々雨水をかけたのは敦君に
ついていた血を洗い流す為。

自分について知られたくない？

敦君への優しさ？

彼女は何者なのだろう…
時々私の思考を読んでくる。

まるで、あの娘ように…………。

A「敦君聞いてないですけど。」

『それより、Aちゃん
　怪我は大丈夫かい？』

私はわざとらしく言った。

与謝野さんに怪我を隠す素振りがあったからだ。

A「え。太宰さんなんで言うんですか。」

ふふ。矢張り気づいて居たようだ。

この娘は一体何者なんだ。

エルピスという名。

エルピスとは古代ギリシャ神話で
「パンドラの箱」に唯一残されていたとされ
【希望】【予兆・予見】と訳されるもの

何故そう名乗っていたのか……。

『…………………』

与謝野「おや？怪我してるのかい？」

A「いや、その…これは…。
　大した事無いので大丈夫です……。」

思わず笑ってしまいそうになった

Aちゃんが余りにも焦っていたから

与謝野「後で見るから。いいかい？」

A「はい……。」

其時Aちゃんが外の方を見ていたので

『どうしたんだい？』

私が話し掛けた時Aちゃんは
私を押して一緒に倒れた。

『Aちゃん強引じゃないかい。
　 ………Aちゃん？」

冗談で言ってみたが、Aちゃんは
顔色一つ変わらなかった

乱歩さんが

乱歩「君どうかしたの？」

そう問うとAちゃんは口を開く

A「誰かいる……。」

何か一点を見つめながら
消えそうな声で言った

??「それを避けるんだ。
　しかも仲間を守りながら泣けるねー」

Aちゃんが見ていた方向から声がした。

Aちゃんの知り合いという雰囲気ではない…そうなるとAちゃんは命を狙われているのでは。

『君は誰だい？』

??「そうだね。エルピスの母とでも。」

母？Aちゃんの？それとも。

『Aちゃんの母？』

A「いや。私は貴方を知りませんよ。
　貴方は何者……です…か？」

エルピスの母「だから！エルピスの母と呼んでもらっていいかな。私はそう名乗ったんだ。」

Aちゃんは少し苦しそうにしている

エルピス母「今日は此れくらいにしよう。
　また来るよ。」

私はAちゃんに泊まるよう誘うと
あっさり承諾した