40話 ページ41
爆豪side
唯、何となく、俺たちが息も絶え絶え向かっていくのを軽くあしらっている様子が気に食わなかった。
何とか40周走りきり、煙を空へと打ち上げる。
今日は終わったら狼煙を上げろと言われたのだ。
酸素不足で脳が働かねぇ。
急に止まったら逆に辛いだろうから、ペースを落としながら歩き続ける。
少ししたら足も動かなくなって来た。
身体を上がって来る酸の刺激と消化物の独特の匂い。
アイツが此方へ全力疾走して来るのを見ながら身体が崩れ落ちるのを感じ、視界が暗くなった。
カラスの鳴き声で目が覚めた。
直ぐ横で空を切る音。
素振りでもしているのだろうか。
ーーーハァッ、ハァッ、
ーーーシィィィ
乱れた呼吸とアイツが戦闘中の時も聞こえた不思議な音。
肺が大きいのだろう、息の量が半端でない。
「目が覚めたなら水分を摂りなさい。
起き上がらせるから少し待ってね。」
そう言ってアイツは横たわっている俺の首元と背に手を回し、抱き起す。
振りほどいてやりたかったが、如何せん力が入らない。
されるがままに身体を預ける。
心拍数が驚く程大きかった。
止めどなくドクドクドク、と音を立てて全身に血液を送っているのが分かる。
身体が密着して改めて筋肉量が少ないことに気付く。
柔らかい部分は殆どなく、恐らく肋骨は浮かび上がっているのでは無いかと思うほど薄い身体。
回された腕に胸、肩、腹。
硬い。同年代の女の身体なんて救助の時ぐれぇしか触んねぇが、それに比べて明らかに細くて硬い。
筋肉が付いているのが嫌という程分かる。
筋肉だけだが。
もらった水分を全て飲み干してから、周りを見渡す。
半分野郎にクソナード、クソ眼鏡もいる。
全員未だ目が覚めていないらしく、其々草叢の上に横たわっている。
「筋肉が固まらないよう、気絶している最中にある程度ほぐさせてはもらったけれど、起きれるようになったら自分で柔軟してね。
それが終わったらまた昨日と同じように打ち込み稽古するから。
脱水症状起こさないように水分しっかりと取りなさい。
まだあるから。
それと身体冷やさないように汗はしっかりと拭いてね。」
そう言うアイツを見上げると目が合った。
眉を下げて哀しそうに笑っている。
そうだ。
こいつはいつもこんな顔で泣きそうに笑うのだ。
ーーー何でそんな顔すんだ。
なんて、聞けたのなら楽なのかもしれないが、踏み込まれたくないのは目に見えて分かる。
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ゆきな(プロフ) - はえ〜…好き (2020年3月19日 3時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 待って泣く泣くてかもう泣いちゃたー！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月15日 3時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 随分遅れましたが続編おめでとうございまーす！！！！！これからも更新頑張ってください、応援してます！ (2020年3月14日 9時) (レス) id: 9d8d7fe98a (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 帰れない！嘘、(゜゜;)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月14日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 最初から最後まで、読みました！とても面白かったです( ≧∀≦)ノ後ランキング5位おめでとうございます！(* ´ ▽ ` *)ﾉ (2020年3月13日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北窓 | 作成日時：2020年3月12日 23時
