【ハリーポッター】ビースティマ【シリウス】 (ページ1)

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まだ身も凍える様な冬の夜だった。

吐く息も白く溶けて行くその中に、同じく白く溶ける少女が空を眺めている。

時折指を空に掲げては何かの形をなぞり描いては、隣に腰を据える白銀の豹の様な動物に語りかけている。

動物に、しかも獰猛な生物に臆する事無く無邪気とも取れる表情で話かける少女を、一体誰が気味悪がらないだろうか。

だが其処には誰も少女を気味悪がる人間、いや人間すらも居ない、月明かりだけ透かす薄暗い森。

寒さも忘れて少女は無邪気に笑って言った。

『嗚呼、あれが僕のシリウス(1等星)。どうか早く僕に逢いに来て・・・』

突き刺す高い天に浮かぶ星は冬の大三角。

その大三角を形成するおおいぬ座のシリウス。

其の星は全天21の一等星。太陽を除けばこの地球上から見える最も明るい恒星。

少女は其の星を指差しながら、凍える風が白い髪を撫でるのも気に留めず微笑んでいるのだった。

そうして幾日の夜が明けて日が暮れて行く。