隣のカレ cn ページ30
チーノに彼女が出来たらしい。
その噂は、私に衝撃を与えた。
別に、チーノの事が好きだったとか、そういう訳じゃない。だから、悲しかった訳では無いん…だけど。
私の思い出には必ず彼がいたから。なんだかぽっかりと穴が空いた気分。
信号が青に変わる。
いつもだったら、後ろから先ぱーい、って私を呼ぶ声があるのに、最近は静かだ。
私は俯きながら、1歩前へと踏みだした。
チーノと出会ったのは、高二の春のこと。
私が信号待ちをしていると、急に隣に来て、
「先輩、好きです！」と押し気味に言ってきた。
チーノは一目惚れだったらしいが、何にしろ初対面。流石にお断りして立ち去った。
だが、彼は毎日私に声をかけてきた。
「僕のこと好きになりました？」
なんて言われるのは少しくすぐったかった。
それから、徐々に徐々に彼のことを知っていった。
コネシマさんという先輩にお茶の代わりに麺つゆを差し出したこと、ショッピ君と鬱先生と言う人達とゲーセンでよく遊ぶこと、(おかげで鬱先生達とも仲良くなった)年上の女性が好きなこと…
本当に色々な思い出があった。
あそこのコンビニで肉まんを分け合って、あのゲームセンターでは一緒に音ゲーをやったりした。
あ、あそこの神社。初詣にどうしても一緒に行きたいと言うから一緒に行ったなぁ…
私は学業御守、チーノは、恋愛成就の御守りを買っていた。「先輩と付き合うために！」とか言われた時は流石に恥ずかしかった…
チーノは、今でも持っているかな？
流石にもう捨ててる、か。
…
なんで、今、私は、
"悲しい"って思っちゃったんだろ。
そっか、
好きだったのか、チーノのことが。
なんで、今気づいちゃったんだろう。遅すぎるよ。何もかもが。
溢れそうになる涙をこらえて、私は歩き出す。
嗚呼、ここの川、チーノと一緒に遊んだところだ。
思い出したくないのに、どんどん思いが溢れ出してきて。
「あ、先輩。」
不意に、チーノの声がした。
咄嗟に振り向くと、チーノと、隣に可愛らしい女の子。
そっ、か。
あの場所は、もう、私のものじゃないんだ。
チーノと目が合う。いつもの私に向ける優しい瞳。
私は、いたたまれなくなって、学校へと駆け出した。
チーノは、追いかけては来なかった。
--------ｷﾘﾄﾘ線--------
え？1ヶ月近く失踪してた？なんのこと？(すっとぼけ)
追記.ちょいと編集しました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍(プロフ) - つなまぐろ。さん» あら！ごめんなさい、忘れてました。ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後とも不定期更新だったり失踪したり()しますが何卒よろしくお願いいたします((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘ (2020年5月11日 14時) (
レス) id: 29a1c34cfe (このIDを非表示/違反報告)
つなまぐろ。(プロフ) - オリジナルフラグついたままになってますよー！！頑張ってください！！ (2020年5月8日 21時) (レス) id: ff3cd95158 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - tnさんの死ネタは良きですよね！構想が思い浮かんだらいっぱい書きたいなぁ…と思ってます← (2020年2月25日 22時) (レス) id: 29a1c34cfe (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - tnさんとの死ネタ、でいいのかな？美味しいです、めっちゃもぐもぐできます (2020年2月25日 22時) (レス) id: fa644c1625 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 沙月さん» そうです！その作者さんの作る曲がすごく好きで…ずっと聴いてます笑こんな駄作者の作る物語が面白いって思ってもらえて嬉しいです。これからも頑張りますね！ (2020年2月20日 17時) (レス) id: 29a1c34cfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍 | 作成日時：2020年2月13日 23時
