鬼 ht ページ24
キン、と金属音が重なる音がする。
『そんなんで不意を打ったつもりか？笑止。』
彼女は自らの爪で、俺の日本刀を防ぐ。長さに加え、異様な硬さを持っているみたいだ。
『貴様、私が恐ろしくないのか？』
ht「お前みてぇな子供が怖いわけないだろ？」
なんて減らず口を叩いてみるが、正直、恐怖でいっぱいだ。人間が、鬼に勝てるわけないのだから。
『ふむ…面白いな。貴様は特別に喰ろうてやろう。喜べ。』
少女は楽しそうに口を歪め、目にも止まらぬ早さで俺の首を捕りに行った。
間一髪のところで彼女の爪を防ぐ。
此方から攻撃してみるものの、今度は爪が邪魔して上手くいかない。
双方、不用意に手が出せず、緊迫した時間が流れる。
彼女は、余程興奮しているのか、妙に顔が赤い。
『貴様、名はなんという？』
ht「…ひとらんらん。」
『…長いな。』
『まぁいい、なぁ、ひとらんらんとやら。私はな、お前が心底気に入った。心臓が高鳴る音が聞こえる。…なぁ、これが恋というやつか？』
ht「…は？」
急に何を言い出すのだろうか。
すると彼女は瞬く間に間合いを詰めてきた。
____やばい、油断した____っ！殺られる…！
だが、一向に首と胴体が離れる様子はない。
不思議に思い、顔を上げる___
ちゅ
気がつくと、彼女の唇が、俺の唇に押し付けられていた。
______!?!?
状況が理解出来ず、困惑する。
彼女は自分の舌で俺の口をこじ開け、口の中を弄ぶ。
静寂の森の中、くちゅ、くちゅといやらしい音が鮮明に響く。
初めての感覚で、頭が真っ白だ。
少し名残惜しそうに唇を離す少女。
彼女は悪戯っぽく笑い、
『そういう表情もそそるなぁ、ひとらんらん』
なんて言う。
『ちっ』
少女の舌打ちが聞こえる。街道の先から大勢の人の気配がし、こちらに向かってくるのがわかる。
『邪魔が入ったな…』
彼女はゆっくりと此方を向き、まだ幼さを残した顔で笑う。
『ひとらんらん。私の名前は和奏だ。またここに来い。次は、貴様のすべてを奪ってやる。』
そう言って、森の奥に駆け抜けていく和奏。
ht「…あ、おい！待て！」
放心状態だった俺は、漸く我に返る。
彼女の腕を引っ張り、頬に優しくキスを落とす。
『…!?』
驚いた様子の彼女。…可愛い。
「やられっぱなしで終わるか、馬鹿。俺がお前を奪ってやるから、覚悟しとけ。」
『…ふん。やれるものならやってみろ。』
夜の森は震える木々のざわめきを残し、その静寂を取り戻していった。
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藍(プロフ) - つなまぐろ。さん» あら！ごめんなさい、忘れてました。ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後とも不定期更新だったり失踪したり()しますが何卒よろしくお願いいたします((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘ (2020年5月11日 14時) (
レス) id: 29a1c34cfe (このIDを非表示/違反報告)
つなまぐろ。(プロフ) - オリジナルフラグついたままになってますよー！！頑張ってください！！ (2020年5月8日 21時) (レス) id: ff3cd95158 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - tnさんの死ネタは良きですよね！構想が思い浮かんだらいっぱい書きたいなぁ…と思ってます← (2020年2月25日 22時) (レス) id: 29a1c34cfe (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - tnさんとの死ネタ、でいいのかな？美味しいです、めっちゃもぐもぐできます (2020年2月25日 22時) (レス) id: fa644c1625 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 沙月さん» そうです！その作者さんの作る曲がすごく好きで…ずっと聴いてます笑こんな駄作者の作る物語が面白いって思ってもらえて嬉しいです。これからも頑張りますね！ (2020年2月20日 17時) (レス) id: 29a1c34cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍 | 作成日時：2020年2月13日 23時
