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蕎麦買って帰るだけってのが、なんでこんなに難しいかな。
『もしもし？エントランスまで来て欲しいんだけど。え？嫌？蕎麦全部ここで食べてやってもいいんだよ』
脅しをかけて電話を切る。冬場の冷たい空気を吸い込みながら、私は考えていた。
行き倒れてる人ってどうすれば良いんだろう。
事の始まりは数分前に遡る。地獄のような寒さに耐えながら私は購入した蕎麦を握りしめていた。力の入れすぎで時間が経つごとに1、2本ずつ折れている気もするが、茹でりゃ一緒だ気にすんな。
そんなこんなでマンションまで力を振り絞りながらも到着したのだが、入口前にフード被って手袋を嵌めてる人が転がっている。
しかも血まみれで。
『えぇ〜抗争かなんかあったの？無理無理関わらないのが一番……でも血出てるし救急車？とりあえず携帯……』
薄手のスウェットから携帯電話を取り出し、シオちゃんの一件から覚えた番号に掛けようとキーパッドを開いた。
……とこまでは良かったんだけども、なぜだか現在進行形で足を掴まれている。しかもカッスカスの、今にも消え入りそうな声で「呼ぶな」なんて言ってくるもんだから既視感〜などと内なるIK○Oが顔を出した。
誰か通り過ぎることを祈りたいが、生憎大晦日。聞こえてくるのは一般家庭の笑い声のみ。
かくなる上は……
『というわけで君に頼んだ。運ぶの手伝って』
「運んでどうすんだよ！犯罪者だったらヤベェだろ！！」
『シオちゃんも同じ状態だったけど、今生きていられるの誰のおかげ？それに……』
『なにかあれば守ってくれるでしょ』
上半身を持ち上げる。シオちゃんはしばらく口をモゴモゴさせていたが、「そこまで言うなら仕方ねぇな」と満更でも無さそうに彼の足を持ち上げてくれた。チョロい。
大の大人一人を運ぶのは二人でもなかなか重労働だ。無事に部屋に入れてから私の腰からバキミシメキィとエグい音が鳴ったのを涙目で聞く。シオちゃんは心底同情している目でこちらを見ていた。
「で、運んだは良いけどよ。どうする？このまま放置はしねぇだろ？」
『とりあえず蕎麦作る』
「食ってる場合かよ」
『寒すぎて頭働かない』
「……じゃあ出来上がるまでに風呂入ってくるわ」
風呂場へ行くシオちゃんを見送り、転がっている男性へ申し訳程度に毛布を被せた後、蕎麦つゆ作りを再開した。
その後、我が家に起きる事件を私はまだ知らない。
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むーこ - またお返事が貰えるとは…！嬉しいですっっ！！ありがとうございます…！更新来てるの見るだけでテンションめっちゃ上がりました！これからもずっと応援してます！ (4月8日 13時) (
レス) id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
惰眠の雑食(プロフ) - むーこさん» コメントありがとうございます！最近かなり更新頻度が減ってきていますが、こんな小説でも支えになれるということを聞けて嬉しいのでやる気出して書いていこうと思います！これからも応援よろしくお願いします👍 (3月30日 17時) (レス) id: 3cf3b068e7 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 返信も嬉しかったです〜！ (3月24日 21時) (レス) id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - この小説、元気なくなった時に読むとすごく笑顔になれます！日常の支えです！素敵なお話の更新気長に待ってます！主様ありがとうございます！！ (3月24日 21時) (レス) id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 回答ありがとうございます！イザナらしいですね！これからも更新頑張ってください！ (3月4日 21時) (レス) @page49 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惰眠の雑食 | 作成日時：2023年3月27日 0時
