17 . お悩み相談バクくん ページ21
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『ということがあってね』
「仕事、楽しいのか？」
『バクくんはお話楽しい？』
「質問を質問で返すなよ。あとなんだその呼び方」
『最近、悪夢を見ないから。食べてくれてるのかなって』
隣に座る通称バクくんは相変わらず顔にペンキをかぶっている。それは少しも消える兆しを見せないので、名前が判明しないことにはどうにもならないのだろうか。
『名前、いい加減教えてよ』
「甘えんな。お前が思い出せばいい話だろ」
『一文字ずつ言ったら当たるかな。"あ"』
「違う」
バクくんは口をへの字に曲げて腕を組み、そっぽを向いてしまった。機嫌を損ねると遅刻寸前まで夢から覚めることを許してくれないので話題を変えることにする。私の話題が尽きないのでバクくんには飽きがこないらしく、ずっと横で胡座をかきながら話を聞いていた。
『あー、仕事行きたくない』
「楽しいんじゃねぇのかよ」
『んん、店長がさ……』
『セクハラしてくるんだよね』と言いかけた所でバクくんが肩を揺らす。そうか。男の子だもんな、いい年したオバサンと中年オヤジの組み合わせの話なんて聞きたくないよね普通。
『ごめん、今日はもうお開きに』
「どこ触られた」
『ん……？』
いや食いつくんかい。
バクくんがこちらに顔を寄せる。ペンキが塗られた顔ではどんな表情をしているか分からなかったが、心做しか不機嫌そうだ。冷静に分析していると、どんどん距離が近くなり半ば私が後ろに倒れかける形になる。
親身になって怒ってくれてる、なんて思っていたがバクくんは徐に片手を上げるとその手を丁度私のへその上辺りに置いてきた。
『バクくん？』
声をかけても返答がない。唯一見える口元だけを少し歪めて、バクくんは離れていく。
「いい度胸だな」
呟きを最後にだんだん姿が白んで、気づけば自分の部屋にいた。
今日はクソハゲが顔を出すらしい。
出来ればこないで欲しいと表情を安易に死なせていると、入店音と共に何故か小走りの店長が駆け込んできた。顔色がすこぶる悪い。
『おはようございます』
「君も見えてないのかッ！？」
『はぁ……？』
一応話を聞くと、先程から突然奇妙なものが見えるようになったらしい。変なもの？と聞き返すと私の後ろを指さしてガタガタ震え出した。
「あ、あぁ……かえ、帰ってくれ！！！今日は帰ってくれ！！！」
強制的に店を追い出される。
首を傾げていると、耳元でカラン、と聞き覚えのある音が鳴った。
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むーこ - またお返事が貰えるとは…！嬉しいですっっ！！ありがとうございます…！更新来てるの見るだけでテンションめっちゃ上がりました！これからもずっと応援してます！ (4月8日 13時) (
レス) id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
惰眠の雑食(プロフ) - むーこさん» コメントありがとうございます！最近かなり更新頻度が減ってきていますが、こんな小説でも支えになれるということを聞けて嬉しいのでやる気出して書いていこうと思います！これからも応援よろしくお願いします👍 (3月30日 17時) (レス) id: 3cf3b068e7 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 返信も嬉しかったです〜！ (3月24日 21時) (レス) id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - この小説、元気なくなった時に読むとすごく笑顔になれます！日常の支えです！素敵なお話の更新気長に待ってます！主様ありがとうございます！！ (3月24日 21時) (レス) id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 回答ありがとうございます！イザナらしいですね！これからも更新頑張ってください！ (3月4日 21時) (レス) @page49 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惰眠の雑食 | 作成日時：2023年3月27日 0時
