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アンチくん3 ページ4

下校時間になると、いつも一鉄と私は少しの雑談をしながら本屋へ行き、各々の好きな作品を物色する。
一鉄は主に漫画を、私は主にDVDを、という感じだ。

下校の際、寄り道をしてはいけないが、そんなこと
知ったこっちゃない。……さすがに一度担任の教師に見つかった時は肝を冷やしたが。

話を戻そう。
今日もいつものように本屋へ赴いたのだが……



「ねぇ、鉄。……何やってんの?」



一鉄は本屋には入らず、入り口でただ此方を黙って見つめている。片手に今日購買で購入したあんぱんを持って。まさに張り込み刑事だ。



「……ブラックリスト」


「え、何?何て?」



ボソボソと何か呟きながら自身のリュックから黒塗りのノートを取り出す一鉄。よくよく見ると、ノートには白い乱雑な文字が書かれている。


間違いない、デ○ノートだ。
ただし、英語の綴りが間違っている。

呆れながら一鉄に歩み寄ってノートをひったくると、そのノートで一鉄の頭をぶっ叩いた。



「何を目指したいの?健全なアンチでありたまえよ。ていうかいつ作ったの」


「今日の美術の時間」


「そんなことしてるから一人だけ自画像描かされるんだよ」



美術の授業、皆がコルクパズルを作っている中、一人だけ片手に鏡を持って自画像を描いていたのはコイツですお母さん。

結局一鉄も本屋で新刊やら何やら買って二人で読んだ。

ちなみに公式キャラファンブックも売っていたので、買わないのか、と言った所。もう既に購入した後であった。

果たして彼はアンチになる気があるのだろうか。

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作者名:惰眠の雑食 | 作成日時:2021年3月21日 0時

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