生存二十四日目。 ページ25
ぱたん、とエレベーターの扉が閉まり、敦とAは詰めていた息を吐き出した。
｢善かったのかい？引き受けて仕舞って。本来の目的は、先刻の書類を届ける事だろう？排除は依頼に含まれて無いよね？｣
扉が閉まるまでは、何時もの笑みを堪えて居た太宰が、あーあ、とでも云いたそうな声と顔で、呟く様に話す。
Aは太宰を一睨みし、敦を一瞥した。敦に説明して貰う意図だったが、彼の難しげな顔で、理解して居ない事を悟った。
徐ろに深い溜息を吐くと、Aは面倒臭そうに口を開いた。
｢残念ね。排除は軍警からの依頼なのよ。今後の業務に支障を来たすから、って事で｣
｢なァんだ、そうなの。其れにしてもAが説明して呉れる何て嬉しいね｣
面倒臭そうだった顔を緩ませ、今日は善い日だ、と迄云い出した太宰。
彼を恨めしそうに睨んだAは、
｢説明しなきゃ善かったわ｣
と呟いて、敦側に寄る様に太宰から距離を取る。
其れを観た太宰は、うふふふふ、と寄りだし、敦は苦笑いし、Aは顔を顰めて逃げる。
其の異様な光景に、管理会社の人が、誰依り顔を顰めたと云う。
・
｢さぁて!早く終わらせて御昼にしよう!!ね、A、敦君｣
｢はい!!｣
｢敦君!食べ物に釣られちゃ駄目!!｣
｢A。然様な事云ってる卦度、涎垂れてるよ？｣
はっとして口許を拭うが、時既に遅し。｢素直じゃないねェ｣と若気乍ら、先程の路地の先を進む太宰。
然様な彼を睨むが、何処吹く風。
飄々と、御機嫌そうに歩いて居た太宰が、突然歩みを止めた。右腕を小さく広げ、制する様に。
何かが居る、と云う事は一目瞭然。
｢おやァ？何だか善い優男が居るじゃねェか｣
｢其れは私の事かな？御褒めの言葉どうも｣
挑発する様な少し硬度の在る太宰の声に、敦とAは聞き慣れぬ声の持ち主に気付かれない様に警戒した。
Aは鞄の中に手を伸ばす。
くくく、と愉しげ喉で笑うのは、話し掛けて来た男とは別の人間。
然して、其の男とも違う人間がAの後ろを取った。太宰の目に映って居た筈の人間が、一瞬で消えたのだ。太宰にも緊張感が趨る。
｢後ろには可愛らしい子も居るみたいだね。うら若い少女が何しに？｣
最初に話し掛けた男がAを含む全員に云うが、3人は動こうとしない。
Aは、にやりと不敵な笑みを堪え、口を開いた。
｢貴方々を御掃除しに───否ァ…丁寧語は難しいね。
要するに───
────アンタらを潰しに来た｣
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りく(プロフ) - 物部さん» き、期待していただけるなんて光栄です！！スランプにがっつりハマっていますが、頑張って更新します！ (2016年11月28日 21時) (
レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 続き期待しています。更新頑張って下さい！ (2016年11月21日 22時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - つららっちょさん» んおおおお！そんな、そんな！嬉しいです！！ご期待に添えるよう頑張ります！！コメント有難うございます！！ (2016年9月3日 21時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
つららっちょ(プロフ) - 夢主ちゃん幸せになってて良かった……！更新される度に心が踊ってました笑これからも楽しみです。応援しています！ (2016年9月3日 21時) (レス) id: 134dceea58 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - あさぎり*さん» 最初から！頑張って更新します！！コメント有難う御座いました！！ (2016年9月1日 7時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りく | 作成日時：2016年8月20日 18時
