生存二十三日目。 ページ24
「此奴等、異能力者…じゃないよね」
「…みたいだね」
鉄パイプは砕かれ、金属バッドも砕かれ。驚く程間抜け顔で気絶する男達が作る山の前で、頭を悩ませる敦とA。
数分前に、A達が退治した奴等は、聞かされて居た厄介な異能力者等、一分程も感じられぬ程、呆気なく伸びた。
「まァ杞憂だった訳だし、早く行こうよ。私、御腹が空いたのだけど」
此奴も一緒に伸ばすか、不穏な考えがAと敦の頭を一瞬だけ過ぎった。
・
「嗚呼!有難う御座いました!!私共も、下の輩には困って居りまして…」
何度も体を曲げて感謝する使い先の社長。通された部屋の高級そうな椅子に腰掛け、「否々、之が仕事ですので」と照れ笑いで御茶を濁すA。
逡巡した後、Aは疑問を切り出した。
「時に社長さん。御訊きしたい事が有るのですが…宜しいですか?」
「ええ。何でしょう」
「下の不良は、金属バッド等を持った唯のチンピラでした」
唯、結果論を述べるA。
然し社長は、其の情報だけで、Aが何を伝えようとしているのかが、朧気にだが見えた。
「其のチンピラは異能力者の手下。異能力者は、私共を観ても、何もしなければ危害は加えて来ませんが、彼等は、誰彼構わず……」
「潰しに掛かります」と、悔しそうに呟く社長。
彼は、突然立ち上がると、A達に向かって頭を下げた。
「如何か御願いします!異能力者共を、排除して下さい!!」
突然の事に戸惑う敦と、引っ掛かりを覚えるAと太宰。
敦が立ち上がって、
「か、顔を上げて下さい!!其の…能力者は、僕等に任せて下さい」
と、云うと社長はゆっくり顔を上げた。
完全に上がるのを見計らって、Aは引っ掛かりを口にした。
「先程、チンピラの方が誰彼構わず、と云いましたよね?然し貴方は、能力者を排除して欲しいと仰った」
「え、ええ」
「危害を加えるのは前者ですよね?なのに何故、異能力者の方を?善からぬ輩を排除して欲しいのは判りますが…」
「裏で命令してるのが奴等なのです。手下に命令すれば、自分達は罪を被る事が無い、と。姑息な連中何です!!」
又も悔しそうに拳を震わせ、少し許り声を荒らげる社長。Aは、社長の拳を包み、目を合わせる。其の儘、笑顔をで、
「判りました。私達が必ず、排除致しましょう」
強く、然う云った。
敦が其の横から再度、「僕等に任せて下さい」と云うと、「頼もしいですな」と社長も笑顔を見せた。
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りく(プロフ) - 物部さん» き、期待していただけるなんて光栄です!!スランプにがっつりハマっていますが、頑張って更新します! (2016年11月28日 21時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 続き期待しています。更新頑張って下さい! (2016年11月21日 22時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - つららっちょさん» んおおおお!そんな、そんな!嬉しいです!!ご期待に添えるよう頑張ります!!コメント有難うございます!! (2016年9月3日 21時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
つららっちょ(プロフ) - 夢主ちゃん幸せになってて良かった……!更新される度に心が踊ってました笑これからも楽しみです。応援しています! (2016年9月3日 21時) (レス) id: 134dceea58 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - あさぎり*さん» 最初から!頑張って更新します!!コメント有難う御座いました!! (2016年9月1日 7時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りく | 作成日時:2016年8月20日 18時