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生存二日目。 ページ3

治療を終え、すっかり動くようになったAの両腕と両脚。
其れらを早くも全力で働かせ乍ら、社の廊下を競歩の如き速さで直進している。

然様(そん)なAの後ろをゆったりと歩く与謝野は、其の光景と彼女の執着心に、又笑いを零した。







Aの競歩並の速さの御陰で、同じ建物内と云う事を踏まえても、異例の八秒で、皆の居る部屋の扉の前へ辿り着いた。
流石の与謝野も、此れには驚嘆した。

Aは扉の【武装探偵社】と云う文字を睨み付けた。


取っ捕まえて一発殴って、止めて赦してと云う迄嬲って、太宰が泣かせた女性全員に今の住所教えて、犬小屋突っ込んで、結局は赦さない。
良し、完璧な太宰復讐計画。


Aは頭中で、犬小屋の中に四つん這いで白旗を振る太宰の背中に脚を載せ、高らかに嗤う自分の姿を想像し、ニタリと口角が吊り上がるのを感じた。
慌てて口許を抑える。

彼女は深く深呼吸をし、ノブに手を掛ける。
叫ぶと同時に、扉を勢い良く押し開いた。



「太宰は何処だァ!!!」
「うわァ!!」



ばっさぁっ、と云う紙が散らばり落ちる音と、扉を開けた事に依る空気抵抗の音、Aを含む二人分の声。
其れ等の音が同時に耳に届き、思わずAは静止して目の前の全体的に白い少年を見た。
彼も又、彼女を見て居た為目が合った。
互いが数度の瞬きをした後、ゆっくりと口を開いた。


「──誰ですか?」


同時に同じ事を訊いた後ろで、其れを聴いた与謝野が小さく吹き出した。

生存三日目。→←生存一日目。



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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りく(プロフ) - 物部さん» き、期待していただけるなんて光栄です!!スランプにがっつりハマっていますが、頑張って更新します! (2016年11月28日 21時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 続き期待しています。更新頑張って下さい! (2016年11月21日 22時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - つららっちょさん» んおおおお!そんな、そんな!嬉しいです!!ご期待に添えるよう頑張ります!!コメント有難うございます!! (2016年9月3日 21時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)
つららっちょ(プロフ) - 夢主ちゃん幸せになってて良かった……!更新される度に心が踊ってました笑これからも楽しみです。応援しています! (2016年9月3日 21時) (レス) id: 134dceea58 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - あさぎり*さん» 最初から!頑張って更新します!!コメント有難う御座いました!! (2016年9月1日 7時) (レス) id: ac95837323 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りく | 作成日時:2016年8月20日 18時

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