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目が覚める。
知らない天井だった。
丁寧に布団がかけられたベッドで眠っていたらしい。
雪山で死んだはずじゃ?ここはどこ。
誰かが助けてくれた?あんなところから?
昨日から頭の中は“?”ばかりな気がする。
凍死寸前だったはずなのに、何事もなかったみたいに元気だった。
やっぱりあれは夢なのか?やけにリアルな感触だった。内容はリアルとはかけ離れていたが。
それにしても、ここはどこだ。
ちょうどいい広さの部屋。ホテルの一室のようだ。
部屋には誰もいないみたいだった。
誰かが助けてくれたのなら、きっといつか人が来るだろう。
待っているとノックがされた。
はい、とドアを開けると女性がいた。
「はじめまして。真木晶といいます。お邪魔してもいいですか?」
「どうぞ。」
「ありがとうございます。お身体はどうですか?」
「元気です。」
「よかったです。ベッドにでもお掛ください。私は椅子に座らせていただきますね。...お名前をお伺いしても?」
「Aです。...えっと、ここは?」
「魔法舎です。魔法使いに抵抗があったらすみません。お身体も魔法使いが治療させていただきました。北の雪山で倒れているのを運んだのですが...北の国の方ですか?」
魔法舎、魔法使い、北の国。この人は何を言っているんだ?
「北の国...北海道ですか?いえ、本州に住んでます。助けてくださりありがとうございます。あの、魔法使い?魔法舎?ってなんですかね...?」
思うままを伝えると、真木さんは驚き混乱した様子だった。
「北海道って...日本ですか?魔法使いを知らない...?Aさん、日本人ですか?」
またわけのわからない質問だった。北海道は私の思い違いがなければ日本だが、こんな質問をされると間違いかと疑ってしまった。
日本という言葉に驚いている真木さんはもしかして日本人ではないのか?
「日本人です。真木さんは外国の方なんですか?」
「いや、私も日本人です。...あの、どうして雪山にいたかお伺いしても?」
魔法使いについては答えてくれなかった。
とりあえず、訊かれたことに答えることにした。
「信じ難い話ですけど___ 」
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作者名:だりいなあ | 作成日時:2021年8月6日 14時