８８話 …体育祭で、勝負しよう。俺、本気で一位取りに行くから ページ49
鍵「今日中に退院できて良かったね！人使」
心「１番の重傷患者がなにいってんのさ」
呆れながらも進んでいくが、不意に立ち止まる
心「…敦也」
大「…人使」
心「何？勇太のお見舞い？勇太なら」
大「それもあるけど、人使に用事」
心「そっか…鍵次、ゴメン先帰ってて」
鍵「駅で待ってるよ」
心「父さん達の車で帰らないの？」
鍵「今は二人で帰りたい気分」
心「…そうか、じゃあ頼むわ」
鍵次が、離れていくのを見届けたあとに話を切り出す
心「話って？」
大「その、聞いたよ。USJの件。大丈夫？」
心「俺は全然」
大「そっか。良かった。人使は昔から無茶するからね」
心「失礼な、ちゃんとそういうところは守ってる」
痛いところをつかれて図星なのだがあえて問題ないように発言する
大「俺さ、あのニュース見て人使が無事か不安で、心配で」
心「それは、ゴメン。心配かけた」
大「ううん。大丈夫、その後さ、後悔したんだよ。何で俺がその場に居なかったんだって、人使の手伝いができなかっだんだって。人使と、戦えなかったんだって」
心「敦也、まさか」
大「俺、何で諦めたんだろうな。俺自身に言い訳してたんだと思う。無個性だから、ヒーローには慣れないって」
心「…言いたいことは？」
手を握りしめて深呼吸を一度してから言う
大「…体育祭で、勝負しよう。俺、本気で一位取りに行くから」
その目は決意に満ちていて誰にも止められるようなものではなかった
大「俺、もう一度ヒーローを目指すよ。人使にも、誰にも負けないくらいのヒーローに、だから、人使に挑戦する。体育祭で」
心「敦也…」
目をつむり、息をはく
心「…良いよ。勝負しようか。体育祭で。俺は、誰にも負ける気無いから」
大「うん。俺も、負ける気ない」
それ以上何も喋ることはなかった。ただ、二人とも見ているものは変わらない
−
鍵「あれ？早かったねー」
心「まあ？以外にも早く終わった」
鍵「じゃあ、帰ろ？」
心「うん」
鍵「…何か、嬉しそうだね」
心「うーん。…多分？楽しみなんじゃないかな？」
体育祭
隣にいるはず彼との距離が今は遠く感じてしまった
「今年の体育祭は荒れるだろうね」
彼はそういい、微笑んだ
続く (更新停止中)
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作者名：通りすがりの某氏 | 作成日時：2017年11月9日 21時
