呪術師なんで魔法は使えません 2

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そしてその日の夜。
今は消灯時間も過ぎ、学校には暗闇と静けさが充満している。

室内には規則正しい呼吸音とシーツの擦れる音のみが漂っている。
相部屋の子はもう眠りについているようだ。
かと言う私も布団の中に入り寝る目前なのだが。

いつもこの時間は情報を頭の中でまとめている。


とりあえず今わかっている事は、呪物が呪術関係者である誰かの手にある事、こちらの世界に迷い込んだ非術師を集めて何かをしようとしている事、そして私を狙う人物がいる事。

全く愉快な状況を作り出してしまったものだ。
事が大きくなる前に終わらさなければいけないな…





寝付きが悪く、寝返りをうつ。
最近、背筋がゾワゾワするような嫌な予感が絶えない。
おかげで寝不足だ。


もう消灯時間過ぎちゃったけど、散歩でもしようかな、と布団から這い出た時、またあの気配を感じた。

この間洞窟の中で感じた呪力より遥かに大きい
。一級くらいあるかもしれない。


『また呪霊ですか…』


呟きはぽつりと室内にこだました。
ものすごくデジャブ。
やばいもう呪霊くらいじゃ驚かないとこまできてる。
おかしいんだよここに呪霊がいること事態！！！
適応はやすぎでは？

とりあえず早く祓いにいこう。
やばい状況には変わりないんだし、
今寝巻きなんだけど、この格好で戦闘はちょっと厳しいかな。

しょうがない、久しぶりに高専の制服着ますか。








あーやっぱこっちの方が落ち着くな…
動きやすいし。

あ、ていうか呪霊はこの世界じゃ独りでに発生することはあるはずないんだから、
今この学校に私が追うべき人物がいるって事になる…

事態の重要度が増した。
早く行こう。
呪具を腰に装備するとかなり目立つよね…
最悪人が居た事も考えてアドラのローブ羽織っていくか。



相部屋の子が起きないように静かに扉を開けて外に出た。

夜の校内はいかにも呪霊が出そうな雰囲気なのに気配は全くせず、今私が祓いに行こうとしている呪霊だけだ。
…やっぱりこれは慣れないかも。


部屋を後にし、足早に行動する。
出来るだけ足音をたてないようにして歩いた。
ここで誰かに見つかっては面倒だし。

呪力が濃くなる方を目指して歩いていると、複数の足音が聞こえた。
こんな夜中に、誰が？
私も人の事言えないけど。


道角を曲がると、前方に4人の人影が見えた。
あれーこれもデジャブ。
物凄い見覚えのあるメンツだなぁぁ。

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