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話を聞くに、彼はよく此鳥小屋に来ているらしい。




「会長さんは鳥が好きかい?」




2人で小屋を眺めていると、唐突にそんなことを聞かれた。




「好きですよ。可愛いですから」


「ハーハハハ!成程ねー」


「ニコライ先輩は鳥、好きじゃないんですか?」


「勿論好きさ!重力に囚われず飛躍する完全な自由を持っている、唯一の生き物だ」




ニコライ先輩の顔が、少し暗くなった気がした。




「……ニコライ先輩は、自由になりたいのですか?」


「ハーハハハ!まァそうだねェ!」




また貼り付けたような笑顔で此方を向く。まるで道化師のように。




「自由…善いですね。誰にも縛られず、自分のしたいように生きる。不自由で人から好かれるのと、自由で人から嫌われるのだったら…後者の方が幾分か素敵だと私は思います。」




なんか語ってしまった…。

恐る恐るニコライ先輩を見ると、面食らった様に此方を無言で見つめていた。




「な、なんて…唯の一般人の戯言ですけどね…」


「……いや、僕もそう思う。だから僕は自由を求める。……Aちゃん!手を貸してくれるかい?」


「はい?善いですけど……」




片手を差し出すと、「見ててね!」と何の変哲もないニコライ先輩の両手が私の手を包んだ。





そして一瞬ニコライ先輩が、グッと力を込め、手を離した。





「凄い……」





私の掌には白鳥のキーホルダーがのせられていた。





「それは私から君へのささやかなプレゼントさ!」





それだけ云うとニコライ先輩は去っていった。







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リムル=テンペスト - 乱歩サンに良い子って言われたら出血多量で死にます (3月28日 14時) (レス) @page13 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 共犯、…共犯………あ"ぁ"… (1月10日 1時) (レス) @page13 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ルウさん» あ、ありがとうございます…!(´;ω;`)嬉しいです!!モチベ爆上がりです!!!! (1月4日 17時) (レス) id: 2556ae6a4e (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きになりました! これからも応援していますよ〜! (●o≧д≦)o頑張れェェェ♪ (1月3日 23時) (レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆい | 作成日時:2023年12月24日 6時

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