家 ページ16
…結局、私はパピルスくんのスパゲッティを完食するのに1時間程時間をかけた。
本当は余りにも…その、味が衝撃的過ぎて食べるに食べられなかったんだけど、どうやらパピルスくんは私がめちゃくちゃ時間をかけてゆっくりとスパゲッティを味わっていると受け取ったらしくて…。
「俺様のスパゲッティが余りにも美味しくて、ずっと味わっていたいからゆっくり食べてるんだな!? 俺様感激!!」
と、ぴょんぴょんウサギみたいに飛び跳ねながらとても嬉しそうに言っていた。
本当は違うんだけど…まぁそういう事にしておこう、否定する元気もパピルスくんのスパゲッティに吸い取られてしまっていた。
……それからは、まぁ色々あった。
私がスパゲッティを食べ終わるや否やパピルスくんが「じゃあ夜ご飯の分のスパゲッティも作らないとね!!」と言い始めたので、なんとかそれを抑え込んで私が代わりにスパゲッティを作ったり…。
パピルスくんに「この子はペットロック!! 兄ちゃんが連れてきたんだけど今は俺様が面倒を見てるの!!」と玄関先に置いてあったチョコスプレーまみれの石ころを紹介されたり…。
私とパピルスくんとサンズさんの3人でソファーに座って、中身のない会話をしながらぼんやりとMTTのテレビを見たりしていた。
…現在の時刻は午後21時。
今、サンズさんは2階でパピルスくんに寝る前の読み聞かせをしてあげているらしい。
……なんだか、前にサンズさんがグリルビーズでパピルスくんが如何にリアルスター(?)であるかを語っていたけど、少しだけならその気持ちがわかる気がする。
あの子は純白の塊だ。
『そりゃ、ブラコンになりますよね…』
ソファーに深く腰掛け、溜息を吐く。
怒涛の1日だった、これでも私今日退院してきたばっかなんだけどな。
テレビで垂れ流されている殺人ロボのお料理教室をぼんやりと眺めていると、パタパタと階段をスリッパで降りてくる小さな足音が聞こえたので、視線をそちらに向けた。
「よ、待たせてごめん」
『お気になさらず。逆にすみません、こんなにもてなして頂いて…』
ぽすん、彼が私の隣に座る。
「…」
『…』
…暫くの沈黙が流れた。
…あ、そういえば私…彼に聞きたい事があったんだ、病院では聞かなかったあの話の続き。
『あの』
「なぁ」
彼と私の声が重なる。
「あ、ごめん」
『い、いえ、お先にどうぞ』
「あー、じゃあ御言葉に甘えて」
ポリポリ、彼が骨の指先で頬を掻く。
「そのさ、今から…プラネタリウムに行かないか?」
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春朧 - 素晴らしい作品をありがとうございます!!この作品を見つけてから何回も見返して楽しんでます!!これからも応援してます (2022年8月16日 11時) (レス) id: 27ed0134a4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56929号(プロフ) - この作品に出会ってはじめから一気読みしました…一番好きな小説ですありがとうございます… (2022年6月16日 12時) (レス) @page23 id: bb65216783 (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - お陰様で新たな扉が破かれました。お話開く度一喜一憂してしまいます。sansの原作っぽさを再現しつつ違和感皆無に仕上げるの感動しました…!おじさん(主人公)かわカッコでsansもカッコかわなの凄く微笑ましいです悶えます…!!長文失礼しました。おかえりなさい…!! (2022年5月29日 23時) (レス) id: c41e537264 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - 黒曜楼乱さん» ただいまですー☺️ (2022年5月17日 23時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくんさん» えへへ、遅くなってすみません☺️ (2022年5月17日 23時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢川 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/item/da3d119d46aa3a420b503d00d3fa8e22/1637423635...
作成日時:2021年11月29日 14時