懇 ページ25
「んで、ここに逃げて来て…夜風に当たって酔いを覚まそうと思ってたんだ」
そこで一旦言葉を切り上げ、コーンポタージュを一口飲むサンズさん。
彼がほう、と息を吐くと、白くなった息は穏やかな夜風に乗り空へと消えていく。
その一連の流れを目で追ったサンズさんは、ゆっくりと夜空を見上げた。
「そしたらさ、星がすごく綺麗でさ。この公園は都心と違ってイルミネーションが無いから、普段なら見えない星も良く見えるんだ」
白い瞳をキラキラと輝かせながら夜空に浮かぶ星々を見上げるサンズさん。
彼は星が好きなのか、良いことを知ったな…覚えておこう。
「んで、"ボーン"ッ(bone)と星空を見上げてたらさっきの人間達にぶつかって…あとはアンタもご存知の通りってやつ」
『なるほど。…ギャグには敢えてつっこみませんからね』
「おいおいそりゃないだろ。そんなことされたら俺しょ"ぼーん"っとしちまうって」
彼はコーンポタージュの缶を片手に持ち、わざとらしくウィンクをしながらこちらを伺ってくる。
つっこまん、絶対につっこまんぞ。
ただでさえ今寒いのに、これ以上寒くなったら私が凍え死んじゃう。
なんとかして話を逸らさないと…。
『あ』
そういえば、この前から彼に聞きたいことがあったんだ。
ずっと気になっていて、でも聞くことが出来なかったこと。
まだジョークを言いたくて仕方なさそうにしているサンズさんの顔を真剣な眼差しで見つめると、次第に彼もゆっくりと笑みを浮かべるのをやめた。
『ひとつ、質問があります。サンズさん、貴方は…どこで私と会ったんですか?』
「…その話はもう終わったことだろ」
『ええ、確かに一度私が終わらせました。だから今度は、私から始めます。貴方はどこで私と会ったんですか』
少しばかり彼に詰め寄り問い掛ける。
するとサンズさんは、答えたくないとでも言わんばかりに顔を私から背けた。
ので、私はもっと彼に近づいた。
『教えてください』
「この話はもう」
『お願いします』
「Aが終わらせたんじゃないか」
『サンズさん』
「…ずるい」
『…おねがい』
ぐいぐいと詰め寄り、懇願した。
身勝手なのはわかってる、自己中なのもわかってる。
店員と客という関係の一線を越えようとしているのもわかってる。
でも、私は知りたい。
貴方が、一体どこの私と出会ったのか。
…暫くすると観念したのか、彼が口を開く。
「アンタとは」
漸く答えが聞けそうなになった時。
「サンズ!」
子供の声が辺りに響いた。
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モブくん_通行人A(プロフ) - 夢川さん» めちゃきついですねぇぇ (2021年11月29日 4時) (レス) @page48 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» イケおじには肉体的に死ぬ前に精神的に死んでいただきます! 通行人Aさんにはイケおじが壊れていく様を見ていただきたいので、死なないでくださいね! (2021年11月28日 21時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - オァ…キチィヨォ…早く救急車…イケオジが死んじまう…それより前におれが死んじまう… (2021年11月28日 19時) (レス) @page39 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» アッワッアッ…アリガトウゴザイマs…楽しんでイタダケテ何よりでs...頑張って続き書いてイキマs... (2021年11月27日 15時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - アッアッアッ好きでs…ムリ…尊…い…楽しく読んでます頑張ってくださ…(絶命) (2021年11月27日 15時) (レス) @page28 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢川 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/item/da3d119d46aa3a420b503d00d3fa8e22/1637423635...
作成日時:2021年11月21日 1時