旅先が決まりました 3 (ページ48)

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目が覚めて支度をする。そのままホテルを
出て、イッシュに向かい、目当ての場所の前に着いた
その場所は美容院だった。

貴｢……入りましょう｣

ダ｢うん｣

カ｢いらっしゃ……おかえりA｣

中に入ると、1人だけ男性？の方がいた。
多分この人がAの言う人物なのだろう。

貴｢ただいま。カイさん｣

カ｢ええ……そちらの方が……｣

彼の水色の目が僕を射抜く。中性的な見た目を
しているが、彼はしっかりと男性だった。

貴｢うん。言ってた方｣

ダ｢初めまして。ダイゴと申します｣

カ｢カイよ。まぁ、こんな喋り方してるけど
男だから気にしないでちょうだいね。｣

そう言ってカイさんはニコリと笑った。その姿は
優しくてどこか厳格さが見えた。

貴｢……カイさん。例の件……｣

カ｢ええそうね。もちろん手続きは終わってるわ
それで……結婚の話ね｣

そう言われて思わず体が強ばった。そうだ……
これを越えないと認められない

貴｢うん。｣

カ｢ねぇダイゴ君。Aのこと愛してる？｣

ダ｢勿論です｣

先程の柔らかい顔から急に獲物を狩るような目になった
怯むな。これは試練だ。

カ｢そしてもうひとつ聞こう。Aは君の何｣

貴｢カイさん……！｣

Aが止めに入ろうとするが、カイさんは止まらない

カ｢恋人？それとも……何？私に分かるように言って頂戴｣

それを言われて口を閉じて開く。答えは決まってる

ダ｢彼女は僕の大切な人です。僕に刺激をくれた。
彼女がホウエン地方にやって来た時改めて思いました
この人は僕の愛したい人だと。｣

目の前のカイさんは何も言わずに僕の目を見ている。
僕はずっと言葉を紡ぐ。

ダ｢そして付き合いを始めました。その後
彼女が過去を乗り越える姿をこの目で見ました。
強いひとだ。そう思った時もあります。でも時には
泣いていました。その時思ったんです。この人を
支えたいと。だから………………｣

"Aさんと結婚させてください"

僕は頭を下げた。