その思い付きはいつも突然に ページ6
「A、起きてる?」
『勘右衛門?何かあったの?』
まだ陽も昇り始めた頃。
私の部屋に勘右衛門が訪れた。
「学園長が、生徒全員を集めろだって。きっと、また変な思い付きだよ…」
『突然の思い付きかぁ。わかったよ。準備が終わったらすぐに向かう』
んじゃ、それだけ。
勘右衛門は引き戸を開けることなく、去って行った。
_______
「諸君!よくぞ集まってくれた!
今回は、文化祭をしようと思う!」
「「「ええぇぇ!?」」」
拡声器を持ち、台に上がった学園長先生は文化祭の提案をする。
当然、その声に驚きと困惑が返ってくるのは当たり前で。
なぜなら、
「学園長先生。ついこの間も文化祭をしたではありませんか」
生徒を代表したかのように、立花先輩が声をあげた。
その言葉に、学園長先生はフッと笑う。
「先日行ったのは、文化祭という名目ではあったが、それは儂のデートをカモフラージュするためじゃ」
「と言いますと?」
「今回の文化祭も沢山の者を呼ぼうとしておる。その者達に、どの委員会の出店が1番優れていたかを投票してもらうのじゃ!」
「なるほど…」
各々が納得し始めた頃。
きり丸がひっそりと手を挙げた。
「あの〜、因みに優勝賞品とかって…」
「あぁ、勿論出るぞ。
優勝賞品は…」
下級生、主に一年は組の方からゴクンと、息を呑む音が聞こえる。
「まぁ、考えておくわい」
生徒の過半数がずっこけるわけで。
多分、学園長先生も考えていなかったのだろう。
本番は明後日!諸君の健闘を祈るぞ!と言い放ち、煙玉を爆発させて消えた。
今回も委員会対抗。
みんな楽しそうだし、いいとするか。
「伝七、兵太夫、藤内、喜八郎、A。早速作戦会議だ。」
元気よく駆けていく伝七と兵太夫と藤内。
その後ろを、喜八郎と一緒にのんびり歩いて行った。
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唯(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります! (2019年1月20日 15時) (レス) id: b278546180 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - hina hihoho2さん» ゆっくりしていってね (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - とても面白いです!! (2018年10月17日 12時) (レス) id: d085377e62 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - どうもー!ひほほでーす!気になって来てしまった…。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 74a6d1071f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陽 | 作成日時:2018年8月13日 22時