26、目覚めの悪い朝 ページ26
ーー
「いつまで寝てるんだ。起きろ」
「あ゛だっ…」
ベチッと音が響くほど盛大に額を叩かれ、目が覚めた最悪な朝。
……バイオレンス。
重たい瞼を開ければ、キラキラした顔面(しかし死ぬほど不機嫌そう)が視界に入る。
イケメンは時間場所問わず顔が完璧だな。
「…ふほうしんにゅぅ…と…ぼうこうざい…」
「はいはい。逮捕でもするか?刑事さん?」
「…ん……」
「おい。 寝 る な」
寝返りを打とうとしたら掛け布団を思いっきり剥がされた。起こし方が母親。
当たり前みたいに私の寝室に居るこいつ、降谷零。……不本意ながら、年単位の片思い相手である。
この状況、何だか勘違いされそうだけど
私達の関係が変わったわけでも、一緒に朝を迎えたわけでもない。
降谷に初めて抱きしめてもらった、昨日…
あいつなりの優しさか、単に興味が無かっただけなのか。結局、涙の理由もハグをするに至った経緯も聞かれなかった。
抱きしめる以上の出来事は何もなく、いつも通りの澄ました顔で自宅へ(多分)帰って行ったし…
「……」
「いい加減起きろ…って、お前こんなに寝起き悪かったか?」
「警察学校時代の事を言ってるんだったら、何年前の話だってのよ…」
「そうだな」
「今日は休みだからグダグダしてるだけ。…まだ仕事残ってたのに、強制的に非番にしたのは誰でしょうね」
「…班長」
「いーや、君だね」
「そんな事どうでもいい」
どうでもいいんかい。
欠伸を噛み殺しながら起き上がる。
ベッドへ腰掛けた降谷が、私の目の前に手をかざした。
「ん?」
「萩原は今まで何回これを使った?」
「へ」
彼が持っているのはうちの合鍵。今日もこれを使ったんだろうな…
っていうか、なぜ萩原の話?と首を傾げれば、眉を寄せた降谷。
「さっさと答えろ。" 何回 " ?」
「1回…あぁ、いや。昨日使われたから2回?」
「…」
私の答えが意外だったのか、呆気に取られたように目をぱちぱち。…あれ?レアな反応。
「……それだけか?」
「うん。」
「…」
訝しげな視線を向けてくるので、ため息が零れた。めんどくさい。
合鍵を渡した経緯を話せば満足するかな…と、遠い記憶を辿る
「だ〜いぶ前の話だけど。ここで爆処組とめちゃくちゃ飲んでた時があってさ。私は次の日休みだったんだけど…朝から仕事があるっていう萩原に " 施錠のため " ソレを渡しておいたの。私が寝落ちする前にね」
「……はぁ?」
話しながら合鍵を奪おうとするも、呆気なく失敗。
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re(プロフ) - 樹菜さん» 樹菜さん、有難いお言葉、本当にありがとうございます(;-;)とっても嬉しいです!なんとか完結できるように!のんびり頑張りますので、ぜひ今後もお付き合い下さい(*^^*)寒い日が続きますが、樹菜さんもご自愛くださいね✨ (2022年12月24日 7時) (レス) @page11 id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
樹菜(プロフ) - この作品すごく楽しみにしてるので、消さないで欲しいです(т-т)ゆっくりでもいいので更新楽しみにしてます!!ここ数日寒いのでお身体に気をつけて頑張ってくださいね( *´꒳`*) (2022年12月23日 15時) (レス) @page26 id: d9d95eb8b3 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 樹菜さん» 樹菜さん、またコメントありがとうございます…!✨他の作品も読んで下さっているのですか…!わー!本当に嬉しいです…😭✨ありがとうございます!完結目指して、これからも更新頑張りますので、是非最後までお付き合い下さい!(*^^*)✨ (2022年12月11日 6時) (レス) id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
樹菜(プロフ) - 更新ありがとうございます!reさんの他の作品も楽しく読ませて貰ってます!このお話大好きなのでこれからも待ってます!! (2022年12月10日 18時) (レス) @page20 id: d9d95eb8b3 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 樹菜さん» 樹菜さん、コメントありがとうございます!✨久しぶりの更新になってしまって、本当にすみません💦久々すぎて需要も無いかなと思っていたので、本当に嬉しいです…!励みになります😭✨更新頑張りますね! (2022年12月6日 6時) (レス) @page15 id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:re | 作成日時:2022年6月30日 13時