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13、夕食は2人で ページ13

軽く背中を押すと、Aはすんなり玄関に入って。僕を見つめながら首を傾げる。


「……ぅ?え?あむぴのお家だよ?ここ」

「ん?知ってる」

職業柄…というか、潜入捜査なんかをしているせいか。

人の顔色を伺うのは得意だ。
彼女が、僕に連れられても本気で嫌がっていないことは良く分かるから。…多少強引に事を進めても構わないか、と。

いつものように玄関に鍵をかけて、Aに向き直る。


「Aさん。" ただいま " 、は?」

微笑みながら問いかければ、彼女はすぐにふにゃりと笑って手を挙げた。

「ただいま〜!」
「はい。おかえりなさい」

来客用のスリッパを出すと『ありがとう』と笑って。


Aをここへ連れてきたのには、一応理由があるが。
これだけ危機感がないと、よく今まで何事もなく生きてこられたな。と…感心した。

… " 米花町 " はさておき。日本は本当に治安がいい。

あぁ、いや。彼女の職場も米花町か……大丈夫か?



「…何で私、ここにいるんでしょう?」

素直にスリッパを履いてから、漸く我に返ったらしい。

不思議そうに首を傾げる彼女にケラケラと笑いながら、洗面台へと連れて行って手を洗うように促した。


「Aさん、ポアロに来るとほぼコーヒーしか飲みませんよね」

一緒に手を洗いながら問いかけると、キョトンとしたAはすぐに頷く。

「そうなんですよ。基本自炊だから…夕食は家で食べてるの」

「僕もこれから夕食なんで、どうせなら一緒に食べようと思って」

Aを玄関の前で抱き上げた、あの日から…思ってた。
余計なお世話だろうが、食が細いんじゃないかと…少しだけ、心配で。


「……あむぴとご飯?」
「えぇ。嫌、ですか…?」

意外そうな声を上げた彼女に、少し不安になる。

もしかして。ポアロでコーヒーしか飲まないのも…人前での食事が苦手だから、か?なんて考えた直後。


「こういうのって、アフター…とか言うんだっけ?私、ホスト行ったことないけど…プラス料金かかる?」

「…は?」

予想外のセリフに、思わず素が出てしまった。
突拍子も無いことを言うな…ホントに。


「僕はホストじゃない」

彼女の柔らかい頬を引っ張ると、『いひゃいいひゃい!』と涙目になっていた。



結論から言えば。
彼女は食が細いわけでも、人前での食事が苦手な訳でも無さそうだ。

僕の料理をとても気に入った様子だったから…ポアロで会った日は、一緒に夕食をとる事が恒例になるような気が、する。

14、チャイムを押した訳→←12、チョロい彼女と帰路



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真実(プロフ) - reさん» どの小説も読みやすかったです。一目惚れのお話は読んでいてこんな一目惚れの仕方もあるのかと感心しました!リクエストの件、ご無理はなさらずに形に出来そうであればお願いします!! (2021年8月6日 13時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 真実さん» ぇええ?!全部読んで下さったのですか…?!(;-;)貴重なお時間を私の小説に割いて頂いて…う、嬉しすぎます…!本当に幸せです、ありがとうございます(;-;)一目惚れのお話も読んで頂けて幸せです…!リクエストのお話もいずれ形にできるよう、頑張りますね!^^ (2021年8月6日 7時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - reさん» 読んでいてお互いの気持ちを考えているのが分かるのでキュン死するかと思っています(因みにreさんの小説は全部読破しております/リクエストした際に言っていた降谷さんの一目惚れの小説も読みました) (2021年8月5日 21時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 真実さん» 真実さん、コメントありがとうございます…!2人の、お互いを大切に想う気持ちを伝えられているのなら、私はとても幸せです…(;-;)とても嬉しいお言葉、いつもありがとうございます…!2人の幸せのために、続編も引き続き頑張りますね!^^ (2021年8月5日 19時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 夢主には夢主の苦悩、降谷さんには降谷さんの苦悩と言うものがreさんの小説から痛いほど伝わってきますね。けど、それはお互いを大切に思っての事だと思うと切ない気持ちになります。続編も楽しみにしてます!! (2021年8月5日 13時) (レス) id: 19057a7d80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:re | 作成日時:2021年7月25日 15時

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