157話 ページ49
「…よぉ、大丈夫か？……大丈夫じゃねぇよな」
『…』
「お前の世話係は、アイの奴から俺に変わった」
よろしくな。と頭にそっとロシナンテの大きな手が乗った
首を絞められたあの時、異変に気づいたロシナンテがアイを引き剥がしてくれ助かった。その後はよく覚えてないけど、多分気を失って数日眠ってた
「首は大丈夫か…？まだ痛むか？」
『…アイは？』
「……彼奴は、任務で本部を離れててな。当分戻って来ないから俺がアイの代わりだ」
任務ね…あの状態で
『うそつき』
「ｯ、嘘じゃねぇｯ…！本当に決まっ『死んだの？』
「…ｯ」
『…そうなんだね』
「……彼奴は、心がそれ程強く無かったんだ
家族を失った上、大切なお前にも手を出してしまった事に耐えられなくなったんだ」
やっぱり、僕のせいだ
「良いか、A。……これは誰のせいでもない、悪いのは海賊共だ
お前は何一つ悪くねぇ…！」
『…』
「お前は、生きろ。何があってもな。独りじゃねぇ…！お前が強くなるその日まで、俺が側にいてやる」
その日以降、ロシナンテが側にいてくれるようになった
すごく気にかけてくれ、下手くそな笑顔と愛を沢山貰った
徐々に徐々に、お互いを知っていった
＿＿＿＿アイ達が亡くなってから、早数年が経ったある日
「A、悪いが当分本部を空ける」
『幹部コラソンに戻るの？』
「嗚呼、任務でな。…それに心配なガキが1人いる」
『この間話してた、珀鉛病の子？』
「嗚呼」
ロシーの事はある程度把握してある。全て彼本人から聞かされた秘密。あのドジが、スパイなんて想像は難しかったけどね
「俺が留守の間、頼むぞA」
『はーい』
「呉々も、悪戯はするなよ」
『はーい』
「…絶対だぞ」
『はーい』
全く、返事だけは良いな…;と言い残してロシーは去って行く
寂しいなんて、これっぽっちも思ってないけど
「あぁ、そうだ」
ﾎﾟﾝ
「愛してるぜ、A。…んじゃ、行ってくるな」
『……ぃ、ってらっしゃい…///』
「はは！赤いな笑。…頼んだぜ！」
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そのガキって言うのが、後の海賊トラファルガーローなんて
…冗談も程々にって言うでしょ
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作者名：夛湖 (たこ) | 作成日時：2023年12月24日 14時
