真反対カップルの日常

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『ありがとうございました』



お帰りになるお客様に頭を下げ、ぱっと上げると目の前には大好きな人



『、世人くん』

「まだ来てませんか？例の客」

『うん、まだ来てない』



店の奥から「Aさんの彼氏さん！？」「え、モデル…？」なんて声が聞こえる
わかる、スタイルもお顔も最高級にかっこいいよね


世人くんと他愛も無い話をしていると、お客様の来店を告げる音が聞こえる




『いらっしゃい、ませ』

「Aちゃん、また来たよ〜、今日もAちゃんが担当してくれるんだよね？」

「すみません、お客様。チーフは他のお客様を対応しておりますので、こちらでお待ちください」



この男性客がしつこい、セクハラじみていることは店員全員に共有してあるため、みんなどうにかして遠ざけようとしてくれる




「Aさん」

『え』



有難いなぁ、なんて思っていると世人くんにイキナリぎゅっと手を握られる

世人くんからのスキンシップは珍しいため、どうしても狼狽えてしまう



「今日は夕飯僕が作りますよ」

『え、いいの？疲れてない？』

「疲れてません。Aさんの好きな物、作りますね」

『ほんと？やったぁ…世人くんのご飯大好きだから嬉しい』



手を握ったまま男性客の前でそんな話をする



「そこのカフェで仕事が終わるの待ってますから、一緒に帰りましょう」

『え、いいの？』

「だから、無理しない程度に仕事頑張ってくださいね」

『ん、嬉しい』



空いていた片手で頬を包み込んでくれる世人くん

私をこの男性客から守ってくれるためってことは分かってるけど、どうしても顔が赤くなっちゃう


だって、いつもこんな事しないじゃん…！




「……す、」

『え？』



何を言っているか聞き取れないでいると、スっと耳に顔を寄せてきて



「すきです」

『………………え』

「顔真っ赤ですよ」

『不可抗力…』




では、と店から出ていった世人くん

気付けば男性客も居なくなっていて





「……Aさんの彼氏さん、えぐいですね」

『え、？』

「あんなに愛してくれる人なかなかいないですよ！」

『うん、私もびっくりしてる…』

「チーフが乙女だ……！」







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リクエストありがとうございました！

可愛いリクエストで、書くのとっても楽しかったです！！！！


リクエストはいつでも募集しておりますので、ぜひお願いします！





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