希望の少女はコロシアイでも頑張りますⅡ (ページ2)

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Aside

〈ホテル〉

私と日向くんは電子生徒手帳にあるコロシアイ修学旅行のルールを確認した

ルールその5
生徒内で殺人が起きた場合は、その一定の時間後に全員参加が義務付けられる”学級裁判”が行われます

ルールその6
学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、”クロだけが処刑”されます

ルールその7
学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、校則違反とみなして残りの生徒は”全員処刑されます”

ルールその8
生き残ったクロは特別措置として罪が免除され、”島からの帰還”が許可されます

ルールその9
3人以上の人間が死体を最初に発見した際に、それを知らせる”死体発見アナウンス”が流れます

ルールその10
監視カメラやモニターをはじめ、島に設置されま物を許可なく破壊する事を禁じます

ルールその11
この島について調べるのは”自由”です。特に行動に制限は課せられません

注意
なお、修学旅行のルールは、学園長の都合により順次増えていく場合があります

『はぁ⋯』

日向｢はぁ⋯｣

電子生徒手帳から顔を上げるとすっかり暗くなったホテルの中庭が見えた

日向｢本気で⋯こんな事をさせるつもりかよ⋯｣

『⋯コロシアイなんかしたくないよ』

これが現実だなんてとてもじゃないけど信じられなかった

それでも⋯これは間違いなく現実だった

学校とか勉強とか試験とか就職活動とか喧嘩とか散歩とか電車通学とか説教とか⋯そうした日常は⋯もうどこにもない

日向｢⋯⋯⋯｣

『⋯⋯⋯』

上を見上げると星を敷き詰めたような夜空があった

この島に来て最初の夜私が見慣れたいつもの夜とはまったく別件の⋯美し過ぎる夜だった

［仲間を殺した生徒だけがこの島から脱出できる⋯］

その言葉を聞かされた私達はその場に無言のまま立ち尽くしていた

そのまま誰も何も言わないままやがてみんなは⋯散り散りになって消えていった

そのまま迎えた最初の夜。それは、目を奪われるほど美しい夜で⋯だからこそ、私の心を酷くかき乱した

『⋯日向くん、今この状況で言うのは変だけど』

日向｢⋯⋯｣

『日向くんが人を殺したりなんか絶対しない』

日向｢⋯なんでそう言い切れるんだ？｣

『⋯私が日向くんを信じてるから』

日向｢ッ！｣

『⋯無理にとは言わないから日向くんも私を信じてほしい』