希望の少女は誘われますⅩ (ページ26)

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日向side

〈病院ロビー〉

九頭龍「予想通りだ･･･報告する事もねーくらいに、サクッと終了したぜ･･･向こうは向こうで病気の治療法を探ってるらしいが、さっぱり進展はねーってよ」

日向「向こうもこっちも揃って･･･今日の成果はなし･･･って事か」

九頭龍「･･･仕方ねーな、明日に期待しようぜ」

背中にどんよりした重い空気を背負ったまま、俺達はホテルへと戻った

〈日向のコテージ〉

日向「とりあえず･･･今日のところは寝るか。頭を切り替えた方が良さそうだ･･･」

俺はベッドに横たわり･･･ゆっくりと瞼を閉じた

不意に･･･ぼんやりとした景色が浮かび上がってきた

水に垂らした水彩絵の具のように･･･

ゆっくり･･･ぼんやりと･･････

それは･･･どこかの教室･･･見覚えのある教室

でも･･･どこかはわからない

声が聞こえる誰かが話している

？？？「･･･聞いたか？スゲーよな。希望ヶ峰学園に行くんだってよ･･･」

？？？「でもさ、あいつってそんなに優秀だったっけ？」

それは雑音だった俺は窓の外をぼんやりと眺めている

聞こえない振り聞きたくない

それでも、雑音は俺の耳に飛び込んでくる

？？？「あれ？お前知らないの？」

？？？「･･･へ？何が？」

？？？「別に、優秀じゃなくたっていいんだってよ。希望ヶ峰学園に入るくらいはさ･･･」

？？？「けど･･･全国から優秀な学生だけを集めた学園なんだろ？」

耳を塞いでしまいたい逃げ出したい

自分がいるべき場所へそれはここじゃない

もっと･･･自分に胸を張れる場所

Aに･･･会いたい

？？？「へぇ･･･そんな方法があったんだ･･･じゃあ、あいつもそうなの？」

？？？「･･･に決まってんだろ。だって、希望ヶ峰学園に選ばれるような特殊な才能なんてねーじゃん。あいつは･･･どこにでもいるような普通なヤツだ」

放って置いてくれ･･･

俺はただ･･･Aの隣にいても胸を張れるようになりたいだけなんだ･･･

･･･ところで、これってなんだ？誰の話だ？

なんで思い出せない？･･･俺は誰だ？

？？？『･･･くん！』

え？

？？？『才能がなくても私は今の･･･くんが大好きだよ！』

この声は･･･A？