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「・・・あの後・・・何か、あった？さちと」
そう聞くと、翔の瞳が一瞬揺らいだ。
「Aの部屋の前で、あいつに“もう終わりなんだって”って言われて、ヤケ酒付き合うよって言われて、そのまま飲みに行った」
「・・・」
「全然覚えてないんだけど」
そう口にして、翔の表情が強張ったのがわかった。
「気が付いたら・・・・・・俺の隣で・・・・・何にも着てないあいつが・・・寝ててさ」
正直、聞きたくはなかったけど、聞くしかない。
これは、私が翔を信じなかった罰なんだ。
「それで、付き合うことになったの？」
「・・・いや」
「でも・・・・・・さちと・・・結婚しようって、思ったんでしょ？」
なんとか、その言葉を吐き出した私に、
「・・・それは、あいつが妊娠したって言うから」
って翔は、小さくため息をついた。
翔には奥さんだけじゃなくて、子どももいる。
翔はもう前に進んでいるって思ったら、涙が出そうなったのを必死に堪えた。
「それ聞いて、責任取ってプロポーズして、式は気に入ったドレス着たいから、子供産まれてからでいいってあいつが言うから、すぐ籍入れて、しばらくしたら、流産したって泣いてた」
「・・・」
「・・・けど、それ、嘘だったんだよ」
「え？」
「籍入れて、1ヶ月くらい経った頃かな」
「・・・」
「たまたま、俺が友達と飲んでたら、あいつが友達が飲んでて」
「・・・」
「あいつ、俺がいるのに気付いてなかったんだろうな。友達に、“妊娠したって嘘ついたら信じて結婚してくれた”って話してるのが聞こえてさ」
「・・・」
「なんなら、俺とAを別れるように仕向けたって笑って言ってやがった、あいつ」
「・・・」
「家に帰って、そのこと問い詰めたら、Aに何したかは口を割らなかったけど」
「・・・」
「あいつ、開き直って、何があっても別れないって宣言した」
「・・・」
「そんなこと言われて、俺、あいつのこと、家族として愛そうって思ってたけど・・・愛せるわけないじゃん」
「・・・」
「だって、俺は・・ずっと、Aのこと、好きだったから」
そう言って私を見つめる瞳は、あの頃と同じだった。
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とも(プロフ) - もぉ…どのお話も切なすぎて心がギュッと痛くなりました(T_T) (2017年10月29日 11時) (
レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
ｳｯﾁｰ(プロフ) - でいじぃさん。禁断のお話とてもよかったです。読んでいて何か鳥肌がじーんと、たってきて。こういうことってありだろうなって思いました。お話ありがとうございました。 (2017年7月17日 13時) (レス) id: 7f541d8bdf (このIDを非表示/違反報告)
なおち(プロフ) - やっぱり義理の弟シチュはたまりません（笑）主人公からの別れより相手からの別れの方が、心にグッときます。トラウマとは違うけど、これからもずっと影響、支配されるみたいな。 (2017年7月17日 10時) (レス) id: 4cd26d7ff0 (このIDを非表示/違反報告)
ぐちこ(プロフ) - こんにちは！更新ありがとうございました！『切ない』というキーワードの切ないお話。読ませていただきましたが、切ないけどそれぞれの終わらせ方がそれぞれに区切りをつけていて、悲しいだけではなかったです♪ありがとうございました(*^^*) (2017年7月16日 13時) (レス) id: 85c8073b6b (このIDを非表示/違反報告)
でいじぃ(プロフ) - ｳｯﾁｰさん» 禁断の香り、してますか？？夫の帰りが遅い・・・奥様には魅力的な言葉ですよね( ´艸`) (2017年7月10日 22時) (レス) id: 81a6b6fca5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でいじぃ
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月24日 23時
