ずっとこのままで…8

順当な結果 ページ12

初戦。
私は朝からｶﾞﾁｶﾞﾁに緊張していた。

ここで負けたら…もう日本に帰る事になる…
そんなの絶対に嫌だ…！

足手まといにならないよう茉莉香さんの的確な指示の下、何とか乗り切って2回戦への切符を手に入れた。
初戦を突破の後、少しの休憩を挟んで2回戦がある。
私達は控え室に戻り次の打ち合わせに入った。

茉「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。3回戦あたりまでは絶対勝ち抜けられるから。」

私の肩を優しく叩く茉莉香さん。

このまま次も勝てれば…ここで勢いに乗らなきゃ…！

大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせる。



結局2回戦もｸﾞﾙｰﾌﾟ最高得点で私達は突破した。

敗退した国の人達から次々と激励の言葉が掛けられる。
私は1人1人と固く握手を交わし、お礼をした。

とりあえずこれで今日の所は終わりだ…。

ﾎｯと肩を撫で下ろし控え室へと戻ろうとした時。



「Hey！」



正面から来た男性3人に声を掛けられた。
格好からして大会参加者だというのが分かる。

茉莉香さんの知り合いかなぁ…。

(外国語表記はせず日本語表記で続けます)

茉「あら、こんにちは。久し振りね。」
男「元気だったか？」
茉「えぇ。」
男「今年は無名の助手を連れて参加とは随分余裕だな。」
茉「肩書きなんて周りが勝手につけるものでしょ？関係無いわ。」
男「審査員を色仕掛けでどうにかしようなんて考えるなよな。ははは！」
茉「あなたこそ、女のｹﾂばっか追っかけてないでちゃんと勉強しなさいね？」
男「んだと！？」

早口で全てを聞き取る事は出来ないが、2人が険悪なのは理解出来た。

男「お嬢ちゃんも男が好きそうな顔してるなぁ。」

私の前に、細身の白人男性がﾆﾔﾆﾔとした笑みを浮かべ立ちはだかる。
英語で話をしようと試みるが、耳を覆いたくなるような卑猥な言葉を何度も浴びせられ、何も言葉が出てこない。

茉「これ以上邪魔するようなら警備員呼ぶわよ。」

茉莉香さんの一言で3人はやっと距離を置く。
静かに睨みをきかせながら茉莉香さんは私を抱えるようにしてその場を立ち去った。




茉「ごめんね。怖かったでしょ。」
「い、いえ…半分くらいは聞き取れなかったので…」
茉「詳しくはﾎﾃﾙに戻ったら話すわ。ちょっと早いけど夕飯でも食べながらにしましょう。」




私達は2日後の確認だけ済ませ、会場を後にした。

ﾎﾃﾙに戻り、館内にあるﾚｽﾄﾗﾝで食事をする事に。

研二には後で連絡するとﾒｰﾙを入れ、私はﾚｽﾄﾗﾝへと向かった。

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