君への正しい触り方【💜】

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「はぁ、」



仕事を終えて、ラッシュが過ぎて少し余裕の出来た電車に乗り込む。ドアが閉じるとスイッチが切れたみたいに気が抜けて、小さなため息が漏れる。

あの日以降、お店には顔を出していない。忙しいのも当然あるけれど、なんとなく顔が出しづらい。....それなのに、志麻さんもかなり忙しいのか、メッセージでの連絡はどちらからともなく途切れてしまっている。



「....寂しいなぁ、」



一番上に固定されたトーク画面を開いて、誰にも聞こえない、ちゃんと音になったのかも分からないくらい小さく、呟く。

いっそ素直に寂しいと言ってしまえたらいいのだろうけど、迷惑をかけてしまうかもしれないし、忙しいんだろうし。これは、ただのわがままだし....。そんないろんな思考が邪魔して、その手を止める。
それに....そんなことを言って可愛らしく見えるのは精々大学生くらいまでだろう。もういい大人の私がそんな事、言えるわけが無い。

それに。それを伝えたら。包み隠しもせずに私の本音を、本心を、曝け出したら。それを知った志麻さんは、どう思うんだろう。私は、どう思われてしまうんだろう。


やっぱり、怖い。




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