1 ページ1
・
「暑っつ、」
じりじりと照りつける日差しに思わず声を漏らす。
....まだ6月の末、しかも梅雨入りもして筈なのに＿＿つい最近までこんな時間に外出する習慣が無かったから俺自身が暑さに耐性がないのか、はたまたこの暑さの方が異常で俺以外の人も皆同じ様に暑いと思っているのかはわからないけれど＿＿じわりと額に滲む汗に、日陰を探しながら目的地へと向かう。
自宅から1番近い、昔ながらの店が立ち並ぶ商店街。
少し古びたアーチ看板を眺めながら、その先にある店へと一直線に歩いていく。
「いらっしゃい！....お、志麻くん！」
「おー」
「今日のおすすめはキウイやで！2種類とも安く入ってな？まだ追熟途中って感じはあるけど、志麻くんはその方がええやんな」
「あ〜....そうやな」
セールストークも完璧な赤茶色の髪のこいつは、坂田。少し童顔気味な顔に人当たりのいい笑顔、そしてこの明るさ。この坂田青果の次男坊で、長男に代わってこの店を継ぐ予定....らしい。最後のはこの間店にいたおば様に聞いた話だけど。
坂田とは年齢も近く＿＿と言っても年下だけど＿＿毎回同じ様なフルーツを大量に買って帰る俺を覚えたらしくて、最近仲良くしている友人の一人だ。
「なぁ....なんか今日の志麻くん、暗ない？」
「え？」
「なんか元気無いなぁと思って。気のせい？」
「....お前、妙に洞察力あるよなぁ」
「一応、これでも接客業やから」
「そうやな。....あー、あのさ。相談したい事あんねんけど」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らぱん( ･×･ )(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます！ (2020年1月11日 19時) (
レス) id: 4213176f5b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - らぱん( ･×･ )さん» はい！了解です！待ってます！ (2020年1月10日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
らぱん( ･×･ )(プロフ) - ちょこさん» 読了ありがとうございます！後日談とは違いますが、続きに位置するお話もありますのでよろしければ....来年夏に更新再開する予定ですのでお待ちいただけたらと思います！ (2019年12月30日 18時) (レス) id: 4213176f5b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2019年12月30日 2時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
らぱん( ･×･ )(プロフ) - ぺるはむさん» 最後までありがとうございました！次も宜しければ読んでください！(*´ｰ`) (2019年7月7日 16時) (レス) id: 4213176f5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らぱん( ･×･ ) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...
作成日時：2019年6月19日 22時
