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黙り込んだ先生は、数秒こちらを見つめた後で、こう言った。
「....先生に、そんな事言ったらあかんやろ。」
「でも」
「先生だから。....な?」
あくまでも、その立場を言い訳にする先生。....私が間違っているのはわかりきっていたけれど、それでもこの時の私は素直に引けなくて。
「その時は、私のせいにしていいです。無理やりされた、ってことにしていいです。だから....」
「.......馬鹿なこと言うてへんで、」
「だから!....だから、私の事.......今だけでも良いから、受け入れて下さい。....突き放さないで、ください。好きになって、ごめんなさい....」
あの家に帰りたくない、まだ一緒にいたい、やっぱり好き、私だけ見て....いろんな感情がごちゃ混ぜになって、それは言葉と涙に形を変えてぐちゃぐちゃのまま溢れ出す。
先生はそんな私のマフラーを引っ張って、そのまま黙って口付けた。
「っ、せんせ」
「....パパとママには、秘密。な?」
にこり、と微笑みながらそう囁いた先生は、私の肩をポンと押した。
駅の時計は、電車が来る十分前を指していた。
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らぱん( ・×・ )(プロフ) - 辰海恋歌さん» コメントありがとうございます! 曲通りに終わらせましたが、この先きっとこの二人は幸せになってくれると思います!こちらこそ楽しんで頂けて嬉しいです、最後まで読んで頂きありがとうございました! (2019年4月8日 7時) (レス) id: 4213176f5b (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - 完結おめでとうございます。一言言えるのは、この中では、あの子が曲名通りになれて良かった…ということです。素敵で、もどかしくて、そして温かい作品を、本当にありがとうございました。読んでいてとても楽しかったです。 (2019年4月7日 23時) (レス) id: b18219f6f9 (このIDを非表示/違反報告)
らぱん( ・×・ )(プロフ) - てこゆのさん» ありがとうございます!私も似たような現象起こるのでお気持ち分かります(笑)でもこうしてコメントして頂けるだけで嬉しいです、ありがとうございます! (2019年4月1日 11時) (レス) id: 4213176f5b (このIDを非表示/違反報告)
てこゆの(プロフ) - 完結おめでとうございます!!つい最近になってこの小説を見つけたのですが、読み始めた瞬間から引き込まれてしまいました。他の方のように何かしっかりとした感想を書こうとしても、あまりにも素晴らしくて言葉が出てきません...!胸がいっぱいです!! (2019年4月1日 9時) (レス) id: 5d44cadab1 (このIDを非表示/違反報告)
らぱん( ・×・ )(プロフ) - Rinさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!クオリティ高くなってますでしょうか、嬉しいです....!曲への愛を詰め込んだ結果こんな感じになりました(笑) ありがとうございました! (2019年4月1日 7時) (レス) id: 4213176f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぱん( ・×・ ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...
作成日時:2019年3月19日 18時