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私は去年も社会科の教科担当だった。元々社会科が好きだったのもあるけれど、去年までいた社会科の女性の先生が1年の時の担任だったから。単純に他の先生と比べて話しやすかったのだ。
中村くんは優しかったから、「その先生の担当する授業の課題提出を私が担当したい、もう一人の先生をお願いしたいんだけど」と言うとそれを快諾してくれていた。
教室の後ろ、隅の方に移動して中村くんと向かい合う。
「今年も一緒だったんだ」「よろしくね」なんて話してから、本題に入る。
「あのね中村くん、私未だにあの先生ちょっと苦手で....折原先生の授業の方担当したいんだけど、いいかな?」
「いいよ。去年と同じって事でしょ。....俺が日本史で、Aさんが世界史ね。....さっきクラス委員が名簿くれたから渡しとく。」
「うん、ありがとう。」
世界史を選択している生徒の名簿を受け取って、自分の席に戻る。そうして、再び小さくガッツポーズ。ありがとう中村くん。
....これで、折原先生と話すタイミングがこの先必ず出来る。その事実に、思わず頬が緩んでしまって、気分もふわふわと浮ついて。
3年生、今日から1年。きっと、今までに無いくらい毎日が楽しくなる。そんな予感がした。
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作者名:らぱん( ・×・ ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...
作成日時:2019年2月23日 17時