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志麻side
坂田の悲痛な悲鳴から、10分後。
「このセクハラじじい!変態!えっち!」
「そりゃどーも。
いた、いたた、蹴ってくんなお前」
最低、きらい!と坂田はめちゃくちゃに俺らを蹴り倒す。
「なにおまえ可愛らしくくるまってんの。
胸でも隠してんのか」
「ばか!!!!!」
「いだっ、なんでぇー?!」
ブランケットにくるまりながら涙目でこちらを睨む坂田にセンラがいつものノリで下ネタをぶっ飛ばし、浦田さんからえげつない蹴りを食らう。
流石の俺らセクハラじじいでもアラサーの男の胸には興奮せんけどな。
という言葉をグッと飲み込む。
センラの二の舞だけは避けたい。
「ほんまに最低…」
俺らが無理やりあれこれ聞き出したせいで、うちの末っ子はすっかりご立腹だ。
「てか、要はさあ、Aちゃんが優しすぎたのとお前の罪悪感で病んだってことでしょ」
「っそんな、軽々しく言わんといてよ…」
「別にそんなつもりは無いけどさあ、坂田はこれからどうするつもりなん?
一応言いたいって気持ちはあるんやろ?」
「あるけどぉ…でも…」
ずきずきと頭が痛んでくる。
どうやら、俺らが思ったよりも遥かに拗れた事案だったようだ。
「でもいつかは言わなきゃダメなわけでしょ」
「…うん。
俺も、言ってしまいたい、って感じやし。
でもそれって、ただの俺の逃げじゃない?
勝手に俺が罪悪感から逃れたいだけやん。
そんなん、ずるない?
俺だけ“ぶちまけてスッキリした!”みたいな立場…
A、傷つくやろな、と思って…」
うわ、めんどくさい。
言ってまえばええねん、言ってしまえ。
でもこう思ってしまうのは、きっと他人事だから。
こういう時の坂田の脳内は、いつもAちゃんが中心で回ってる。
それくらいこいつは優しい、彼女思いのええ彼氏なんや。
労りの意を込めて軽くポンポンと背を叩く。
「ま、そうやろうな。
そりゃ、傷つくと思うで?
何年も連れ添った彼氏が結構大事なこと隠してたんやから」
「ゔ、やでなぁ…」
「でも、さあ。」
頑張って、口を開く。
3人の視線がこちらをむく。
「確かにな、確かに、坂田が今どんなに反省してて謝ったところで、Aちゃんが傷つかんことはないと思うよ。
信用も、多少は失うやろな。
でも俺にはAちゃんがさ、見損なったわはいさよならで坂田を捨てるようなタイプにも思えんのよ」
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いろみず(プロフ) - うぐぅ…尊し… (2021年9月12日 21時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず(プロフ) - 弥生2nd@夢見月さん» いつ見てもお肌綺麗ですよね…特にセンラさん(( (2021年8月7日 22時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
弥生2nd@夢見月(プロフ) - いろみずさん» そりゃもううらたさんとセンラさんはうしさせの美肌代表ですから… (2021年8月4日 0時) (レス) id: c09bebec20 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず(プロフ) - 「いいな、その肌。くれ。」で盛大に吹いた(( (2021年8月2日 10時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
弥生2nd@夢見月(プロフ) - いろみずさん» 全然返信できてなくてごめんね…また読みに来てくれて嬉しい!さかたん応援隊が増えたなあ… (2021年7月10日 21時) (レス) id: c09bebec20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弥生2nd@夢見月 | 作成日時:2020年11月29日 1時