え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。【となりの坂田。】

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Aside

｢おっと…やば、ふらついてきたんですけど｣

『ちょっと…センラくん大丈夫？』

センラくんがふらりとこちらに倒れ込んでくる。

これは相当酔ってるな。

｢うわあセンラがAちゃんに抱きついてる〜！
センラのえっち〜！｣

｢なんやて?!?!?!
センラ、Aから離れろぉ!!｣

きゃっきゃっと志麻先輩がはしゃいだ声をあげたせいでリビングで大人しく座っていた悠がまた玄関へと戻ってくる。

げ、駄々っ子が来た。

｢センラ…いい加減にしろ、お前は飲みすぎだ。
坂田も。

ちょっとは落ち着け｣

｢ぐえ、ちょ、うらたんセンラの首しまってますって｣

浦田先輩が呆れたようにセンラくんの首元を掴んで引き戻す。

悠はセンラくんが私から離れたことを確認するとまた私に抱きついた。

浦田先輩に首元を掴まれてもなお笑い続けるセンラくんと、それを見てまた大爆笑する志麻先輩を見てため息を着く。

『ほんとにもう…そんなテンションで落ち着いて帰れるんですか？

浦田先輩はお酒飲んでないからいいとして…センラくんと志麻先輩はだいぶ酔ってるでしょ。

冷たいお水でも飲んでかえってください。
そんなまま帰られたら私が心配です』

｢｢｢えっ｣｣｣

私がそう言うとあからさまに動揺する3人。

しきりに私の後ろにいる悠のことを気にしている。

『えってなんですか』

｢いや、いいよいいよ!!!
この2人は俺がどうにかするからAちゃんはもう心配しないで｣

浦田先輩が冷や汗をダラダラ垂らしながら言う。

｢センラなら大丈夫ですって。
ほ、ほらもう歩けるし！｣

センラくんが少しふらつきながら自分が歩けることをアピールしだす。

＿＿＿あの、ふらついてるんですけど?!

『またそんなこと言って……このまえ酔い潰れて家の玄関で寝たのは誰ですか』

また私の首元に顔をぐりぐりし始めた悠を鬱陶しく思いながらもセンラくんを睨む。

悠、そんなにぐりぐりするの楽しいの？

｢いやあ…その節はどうもお世話になりました…｣

『私だってもうお世話したくないの。

センラくんももういい歳なんだし、明日も会社あるんでしょ？』

｢い、いい歳…改めて言われると心にくるわ…
会社は明日有給とるからええんやけど…

それより坂田を＿＿｣

『悠？』

不思議に思って振り向くと、そこにはぶすくれた顔の悠。

いつもとなんにも変わらないじゃん。

と、思っていると悠が私の顔を掴み＿＿＿

そのまま、キスをした。

『＿＿＿!!!!!!』

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