いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ39)

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錦戸｢A ｣

急にそんな改まった声で話しかけないでよ
余計緊張するじゃん

錦戸｢すばるくんと付き合っても俺がおるのは変わりないんやろ？｣

へ？

なんか拍子抜け

ものすごい真面目な顔するからいよいよ
俺彼女出来たねんって報告されるんだと思ったのに

錦戸｢や、ええねん。ごめん俺も強く言いすぎた、お前が誰と付き合おうが関係ないやんな｣

そうだよ
関係ないよ
だってあたし達幼馴染だもん

でもそう言われるとさ…
あたしも何も言えないよね

奈々ちゃんと付き合ってようがあたしは何も関係ないもんねなんて

ごめん
あたし言えない

錦戸｢でもな、なんかあったらすぐ言え!! 俺がそばにおるから、な？｣

なんで

亮ちゃんはそんな簡単に言えるの？

やっぱりあたしのことを恋愛感情として見てないのは当たり前なんだよね

うん、分かりきってた

嬉しい言葉のはずなのになぁ
とてもとても苦しい

あたしだったら言えないってばーか
奈々ちゃんと付き合ってもそばにいてあげるよ！とか

んなの、好きな人がほかの子の話してたりするのって耐えらんないよ

あぁ……さっきまでのあたしの覚悟一気に消えちゃった

優しい顔してそうやって当たり前に頭に触れてきて

なんで今日に限ってとびっきり優しいんだよ

錦戸｢ん、すばるくんばっか優先する必要もないからな！｣

ほんっと一方的に勘違いしたまんま決めつけるのガキ

自分はなんにも話さないくせに
あたしのことに関してはひょうひょうとよく喋る

余計なこと言うし
勝手にキレて何かと問題起こす

…ほんとに困る

｢ねぇ亮ちゃん｣

呆れて亮ちゃんを見ればん？ってまたなんか機嫌いいし

なんで機嫌いいんだろこいつ

｢あたし渋谷先輩と付き合ってないよ｣

錦戸｢は？なんの冗談ほざいてんねん｣

は？なんでそこで機嫌悪くなるわけ？
ますます意味わかんない！

｢冗談じゃないし｣

錦戸｢すばるくんが言うてたやん｣

｢うん、それ仮ね｣

本当は先輩はあたしに自分の気持ち気づかせるためにあぁ言ったのかなって思うけど

多分たまたま

｢あたしが先輩の事気になってたのもほんと

でも先輩は気長に待つって｣

錦戸｢へぇ付き合ってなかったんや｣

亮ちゃんはそう言いながらりんごジュースを飲む

面白くないって顔してんじゃん
ほんとなに…!

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