いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ38)

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｢ただいま～｣

錦戸｢誰ん家やおもてんの？｣

｢おばちゃんは？｣

錦戸｢遅なるって｣

｢あ、そう？｣

いつものようにって
そう意識する度に考えちゃって

錦戸｢なんでそっち座ってるん？上行くで？｣

知ってる
いつも錦戸宅に来たら部屋で話してたもんね

でもそのいつもは何年ぶりかじゃん

流石に高校入ってそんな簡単に男の子の部屋になんか

錦戸｢はよ｣

顔が怒ってるから渋々亮ちゃんの部屋にお邪魔した

亮ちゃんはなんか飲み物とか着替えとかしてくるらしくて

そのあいだあたしは久しぶりの亮ちゃんの部屋

なんで抱きしめたの？

気づいたらそう聞いてた
亮ちゃんの本心聞きたくて口走った

あーもう落ち着かない
こんなに一緒にいるのに
何回も来たことあるのに

今更ドキドキしてんじゃん

錦戸｢ん、りんごでええ？｣

｢あ、うん｣

早いな…来るの

久しぶり見たなぁ
亮ちゃんの部屋着

錦戸｢いちごなかってん｣

｢別にいい｣

そうなんやってふっと笑いながらりんごジュースを注ぐ

あぁ…こうやってもっと柔らかい笑顔見せてくれたらいいのに

好き、だなぁ
認めたら溢れるってこんななんだ

錦戸｢なぁ｣

｢ん？何？｣

錦戸｢なんでそんな遠いん？こっち来たら？｣

｢あ、そうだねごめん｣

思わずカタコトになっちゃった

錦戸｢は？なんそれきしょ笑｣

そんなこと言われたら普通はいつもは…噛み付いて言い合いになるのにな

亮ちゃんがものすごく優しい顔して笑うからさ

びっくりしちゃうのと同時になんでだろう？って疑問ばっかり

亮ちゃんがポンポンって
ここって指す場所はあたしのいつもの定位置

うん… いつもあたしあんなに近くにいたのか

好きって自覚ないって怖い

ノソノソと亮ちゃんの隣に座る

｢いつもここだったっけ？｣

錦戸｢おん｣

冷静だこいつやっぱ
余裕あるわ

錦戸｢ん、飲めば？外暑かったやん｣

なんなん、あんた!!

あたしはこんなにっ！

意識してんのに！！！！

ヤケになってりんごジュース飲み干した

錦戸｢喉乾いてたんや笑｣

ケラケラって子供みたいに笑う声がしてちらっと亮ちゃんを見たら

クシャって顔して笑ってて

そんで近くて

｢っ……// ｣

不意に亮ちゃんが笑うのを止めてこっちを向いた気がするから瞬時で目をそらす

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