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下野「...」

『...』

下野さんがお風呂からあがって、すぐ夕飯を食べ始めた。
今2人で絶賛食事中なのだが...、恐ろしいほど会話が無い。
というか2人とも様子を覗っているような感じである。

『お、お口に合いました、か?』

下野「っあ、うん!すっごく美味しいよ!」

『あ、良かったです..』

下野「...」

『...』

さっきからずっとこんな状態。
私は緊張しているのを下野さんに悟られないように、極力平常心を保つように
努力していたが、もうバレてしまっているだろうか。
私は意を決して、下野さんに話しかけた。

『..下野さん、』

下野「ん?」

『私、堂本さんのお店辞めようと思います』

下野「え、」

『ずっと悩んで考えてたんですが、やっぱり今まで通りあの場所で
働くことは...難しいかなと』

下野「そっか..」

『..それで....、もしかしたら、私地元に戻るかもしれません』

下野「えっ?!!」

『両親も、もう若くないですし..今回父にこんな事があって、
やっぱり近くにいてあげた方がいいのかなって....』

下野「Aちゃんはそれでいいの?」

『私は..』

その時、自分のスマホが鳴っている事に気がついた。相手はお母さんだった。

『もしもし?』

母「A?そっち、大丈夫やの?」

『なっ、何がって!だ、大丈夫やし』

母「何を慌てとるの?(笑)
まぁ、いいわ。お父さんがね、Aと話したい事があるって」

『おとうが?』

母「今、かわるね」

父「..Aか?」

『うん、電話なんかして大丈夫やの?』

父「んなもん、心配せんでいい。
A...明日、下野君と一緒に東京帰り」

『えっ?!』

父「今回の事で、こっちに戻って来ようなんて考えとったら..それは許さんぞ。
お前は自分のやりたいことが東京にあるちて、家を出て行ったんや。
東京でいいことばかりある訳がない事は百も承知のはずやろ?
それを今回の事に理由づけして帰って来ようと考えとるんやったら、お前は家に入れん」

『おとう..』

父「まだやりたい事あるんやろ。こっちの事は気にすんなて、、いいな?」

『..うん、ありがと』

私はスマホをゆっくり耳から離して、電話を切った。

下野「...お父さん?」

『はい..、これきっかけで帰って来ようと思ってるなら、家には入れないって。
.....(笑)、私の思ってることはお見通しでしたね』

下野「すごいよね、両親って」

『はい、すごいです...』

対面に座っている下野さんは、私に向かってとても柔らかく笑ってくれた。

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設定タグ:下野紘 , 男性声優 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時

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