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『...』
梶「お母さん、何て？」
『...れたって、』
梶「えっ？」
『..お父さん倒れたから、帰って来てって』
梶･下野「えっ？！」
梶「じゃ、じゃあ早く1度マンション帰って支度しなよ？ね？」
『...でも、私が行ったって』
梶「そんな事言わないで...」
『だって、私家出してきたようなものだし...お父さんだって、別に私に会いたいって..』
下野「ばかやろうっっ！！！！！」
下野さんがものすごい勢いで私に怒鳴りつけた。
『っ...』
梶「し、下野さん？」
下野「縁起でもない事言いたくないけど...
これでお父さんと2度と会えなくなっても、後悔しないって言えるのか？！」
『ｓ、それは...』
下野「つまらない意地張ってたら、一生後悔する事になるかもしれないんだよっ」
『...』
下野「梶君、」
梶「えっ、は、はい」
下野「明日オフだって言ってたよね？」
梶「はい、そうですけど」
下野「悪いんだけど、今からAちゃんと一緒に病院行ってあげてくれないかな」
『えっ？！』
下野「俺、明日どうしても外せない仕事入っててさ。
それが終われば2日休みもらってるから、仕事が終わり次第..俺も追いかけるから」
梶「...分かりました。Aちゃん、ほら行くよ！！
最終の新幹線なら、急げばまだ間に合うから！」
『え、あっ、あの』
下野「気をつけて」
私は下野さんに何も言えないまま、梶さんに腕を引っ張られてお店を後にした。
その後は梶さんと一端別れてお互い準備をして、駅で再度待ち合わせをした。
2人で切符を取って、ギリギリ間に合った最終の新幹線に乗り込んだ。
梶「平日の最終だから、ガラガラだね(笑)」
『...はい』
私と梶さんは座席に腰を下ろし、梶さんは念のためとかぶっていた帽子や
メガネを外して少しリラックスしていた。
部屋で準備をしている間や駅に向かっている間は、頭の整理がつかなくて
考える暇も無かったけど、いざ実家に戻る道中になると色々な事を考えてしまう。
お父さんの様態はどうなっているのか...
こうして向かっている間に、もしもの事があったら...
私が強く握った両手は、知らない間に小刻みに震えてしまっていた。
すると隣から手が伸びてきて、私の両手をそっと包んだ。
梶「..大丈夫だよ」
『...』
梶「きっと大丈夫だから、そんな顔しないで？ね？」
『ありがとうございます..』
梶さんは優しく励ましてくれたけれど、私の気持ちは一向に休まる気配は無かった。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (
レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです！ (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shima | 作成日時：2016年7月4日 16時
