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物音や会話で、堂本さんと晶乃ちゃんが何をしているのか..
見ていなくても容易に想像できた。
晶乃ちゃんが言ってた彼氏って...堂本さんだったの?
『っ、ぅっ、』
下野「...」
『っ、っっ、!!』
すると下野さんは、まだ首にかかっていたタオルを私の頭にバサリとかけて
優しく抱きしめてくれた。
何かに縋りたかった私は、ゆっくりと下野さんに身体を預けた。
下野「大丈夫だよ..大丈夫だから...」
必死で声を押し殺している時、ふと..この涙の理由を考えた。
堂本さんが晶乃ちゃんと関係をもっていたから?..違う。
自分がずっと憧れていた人のイメージが崩れてしまったから?..違う。
この涙の理由は、私はこんな人を好きになってしまっていたんだという
悲愴感、空虚感でいっぱいだったから。
・
・
扉が開いて閉まる音と、人の気配が消えた事で2人がお店を出て行った事が分かった。
それでもしばらくクローゼットからは出られないでいた。
下野「...Aちゃん、」
『...っ、はい』
下野「...よしっ」
下野さんはクローゼットの扉を勢いよく開けて私を引っ張り出した。
『し、下野さん?』
下野「行こっ」
『えっ?!行くってどこへ..』
下野「いいから、着いて来て!」
そういうと下野さんはタクシーを1台呼んで、私は半ば強引にタクシーの中へと
押しこめられた。
タクシーに乗ってから、下野さんは誰かに電話をしたりメールを打ったりと
かなりせかせかしていた。
『あの..どこ行くんですか?』
下野「ん?着いてからのお楽しみ〜」
下野さんはどこへ向かっているのか..タクシーの中では教えてくれなかった。
・
タクシーに揺られる事、約20分。
いかにも高級そうなマンションの前にタクシーは停まった。
下野「着いたよ」
私はタクシー代も出させてもらえず、下野さんにある一室まで連れてこられた。
下野さんは躊躇なくインターホンを押した。
神谷「いらっしゃ〜い!」
下野「ど〜も、こんばんは!」
『えっ?ええっ??』
梶「Aちゃん!やっほ〜〜♪」
『えっ、梶さん?』
神谷「早く中入りな?中にもいっぱいいるから」
下野「はーい!じゃ、遠慮なく(笑)」
『お、お邪魔します』
会話を聞いていると、どうやらここは神谷さんのお部屋らしい。
でもこんなのは序の口で中には本当にたくさんの人がいた。
谷山「おお!来たな〜!」
小野「いらっしゃ〜い、ようこそ神谷ハウスへ!(笑)」
花澤「こんばんは〜!」
な、何がどうなってるの..?
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時