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『...っ、、』
裏口に来てしばらく経ってしまっていた。
急に離れちゃったから、何だなんだとか思われちゃったかな。
bbb..bbb..
ちょうどその時、自分のスマホに着信が入った事に気づいて画面を見ると、
実家からの着信だった。一瞬どうしようか迷ったが、私は通話ボタンを押した。
『..もしもし』
母「A?」
『っ、何?』
母「何やなかやろ?今、東京におるの?」
『だったら何ね?』
母「..A、泣いとるの?」
『っ!!』
私の声は、まだ微妙に震えてしまっていたらしい。
『っ泣いとらんちて、おかあに関係なかやろっ?!!』
母「そんな事言わんと..お父さんも心配しとるんよ?」
『嘘っ!おとうがうちの心配するわけなかやろ!!
もう忙しいから、電話してこんでっ』
母「A!ちょっとm、」
私は話の内容とタイミングの悪さに、異常にむしゃくしゃしてしまって
一方的に電話を切ってしまった。
『..今さら、何やっていうんよ』
男「あれ〜、彼女1人なの〜?」
突然、いかにもチャラチャラしている男に声をかけられたが、
無視して会場に戻ろうとした。
『っ痛!』
するとその男は私の腕を掴んで、無理矢理壁に身体を押しつけてきた。
男「ちょっとちょっと〜、無視は酷くな〜い?(笑)」
『嫌っ、離して!』
男「いいね〜、俺強気な子だ〜いすきだから(笑)」
両足の間に男の足を入れられ、両腕を拘束された私は逃げようにも逃げられない。
声を出しても裏口に来てる人なんて、誰もいなかった...はずだった。
下野「何してんすか?」
『っ、下野さん』
男「ああ?誰だお前?」
下野「あんたに名乗る気はない。それより、人の女に手ぇ出して..
それなりの覚悟は出来てんだろうな?」
男「..ちっ、男持ちかよ」
下野さんはすごい形相で男に啖呵をきると、男は足早にその場を立ち去った。
私はずるずるとその場にへたり込んでしまった。
下野「Aちゃん!」
『..下野さん』
下野「大丈夫?!何もされてないっ??」
『はい、大丈夫です..本当にありがとうございました』
下野「腕..赤くなってる」
男に掴まれていた手首が、うっ血して赤くなってしまっていた。
『大丈夫ですよ、これぐらいすぐ消えっ、!!』
一瞬の出来事、私は下野さんに抱きしめられていた。
『し、下野さん?!』
下野「良かった..」
『えっ..?』
下野「無事で、良かった」
急に抱きしめられたとまどいもあったが、下野さんの腕の中はなぜだかとても安心できた。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時