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今日はBella genteの開店5周年イベントの日。
美容関係者の方や仕事でお世話になっている方、とにかくたくさんの方が
足を運んで下さっていた。
メインは立食パーティーで、その中にファッションショーなどの企画が
いくつか盛り込まれている。
『すごい人だね..この中で迷子になりそう(笑)』
石井「確かに..あっ!あの人俳優の○○さんじゃない?!
ほらっ、アイドルの○○ちゃんもいる!!」
『ほ、ほんとだ..堂本さんの人脈、』
『「恐るべし..」』
そんな感じで晶乃ちゃんと談笑していると、後ろから聞き覚えのある
声が聞こえて振り返った。
梶「Aちゃんっ!」
『梶さんっ』
神谷「やっほ〜!」
下野「お、お疲れ様っ」
『神谷さん、下野さんも!こんばんは』
梶「今日はドレスアップしてるんだね〜!」
『一応パーティーなので..(汗)』
神谷「すっごく可愛いよ!ね、下野君!」
下野「えぇっ?!は、はい、うん..可愛いよ」
『あ、ありがとうございます//』
梶「ひろたん固いよ(笑)」
下野「う、うるさいなっ」
石井「お知り合いの方?」
『あ、以前仕事でご一緒させてもらったの』
石井「そうなんだ!」
晶乃ちゃんと梶さん達が自己紹介し終わると、晶乃ちゃんは担当のショーの
準備のために裏方へと戻って行った。
するとちょうど出入口の方から黄色い歓声があがったのが聞こえた。
そちらを見ると、長身の堂本さんの顔がひょこっと見えた。
神谷「あ、堂本さんだね」
梶「相変わらず人気だなぁ〜」
私は神谷さん達が来ている事を知らせようと、堂本さんに向かって呼びかけた。
『堂本さんっ!神谷さ....、ぁっ』
私は思わず固まってしまった。なぜなら、堂本さんの隣にとても綺麗な女性が
ぴったりと寄り添って歩いていたから。その女性は本人に聞かなくたって、
誰もが堂本さんの彼女だと思ってしまう程の空気感だった。
梶「堂本さん..」
神谷「...」
下野「...Aちゃん?」
『っ、ごめんなさい。私ちょっとお手洗いにっ』
私はそれだけを言い残して、その場から立ち去った。
そうだよね..、あの堂本さんだもん。
噂だって何回も聞いた事があった、綺麗な彼女がいるって。
でも..自分の目で確認するまでは、やっぱりどこか期待していた自分がいて...。
『...バカじゃったね、あたしは、っ、』
ほんの数秒の出来事で、私の気持ちはバラバラに砕けてしまった。
私はいつの間にか辿りついていた、会場の裏口の隅っこでしばらく膝を抱えていた。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時