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今日は下野さんのPV撮影に、先輩スタッフと一緒に参加させてもらう事になった。
堂本さんは先約の仕事が入っていたので今日は来ていない。
下野「..Aちゃん」
先輩が打合せに行っている間にヘアメイクの準備をしていると、
下野さんの声がして振り返った。
『おはようございます、下野さん』
下野「おはよ、今日は宜しくね」
『はい!今日は少しハードな感じなんですね..かっこいいです』
下野「かっ、あ、ありがとう//」
曲のイメージに合わせて黒や革を基調とした衣装の下野さんは、
いつもの優しい温和なイメージとは全く違って見えた。
「ありがとう」と言っている下野さんの顔が、ほんのり赤く見えたのは
気のせい..だったのだろうか?
PV撮影は順調に進んで行って、少し遅めの昼食をとる事になった。
私もどこかで食べようとウロウロしていた。
下野「Aちゃん、一緒に食べない?」
『えっ、でも私何かと一緒で..』
下野「私何かとか言わないの。こっち、行こ?」
私は下野さんの後をついて行って、空いていたテーブルに座った。
椅子に座ってすぐ、下野さんはふぅーっと息を吐いた。
『お疲れですよね、立ちっぱなしで』
下野「それを言ったらAちゃんもでしょ?」
『そんな、私なんか全然..』
下野「ほらまた言った!」
『あ...』
下野「(笑)、そういえば...今日堂本さんは?」
『前々から先約の仕事が入っていたみたいで..』
下野「そうなんだね..Aちゃん、堂本さんと仕事してる時
すごく楽しそうに仕事してたから」
『そっ、そんな事..ないです、よ?』
急に確信を突かれるような話を振られて、お弁当をつつく箸が
自然と止まってしまった。
下野「Aちゃんさ..堂本さんの事....、好き、なの?」
『えっ?!あ、、のっ』
必死に隠そうとしたが、自分の顔が赤く熱くなっている事が分かって
もうどうしようもなかった。
『...誰にも言わないで下さいね?』
下野「言わないよ」
『多分...堂本さんにはもう...、しっ下野さんは好きな人いらっしゃるんですか?』
下野「俺?」
『あっごめんなさい、芸能人の方にこんな事聞いたらダメですよね..』
下野「..別に大丈夫だよ(笑)...いるよ、好きな人」
『..下野さんに想われている女性の方は、幸せな人ですね』
下野「..どうかな」
『絶対そうです!私、応援してますからっ』
下野「、ありがとう」
その時の下野さん表情は、なぜだか切ない顔をしていて
その理由を私は知る由もなかった。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時