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『..うち、やっぱり東京行くっ』
父「...勝手にしぃ」
母「お父さんっ、ちょっとA！」
・
・
どこに行っても人人人人。
排気ガスの匂い、そびえ立つビル。
そう、私はやっと東京にやってきたのだ。
私、神代Aはある目的のため田舎から、この大都会「東京」に出てきた。
きっかけは高校3年生の頃。
友達に誘われて、隣県のヘアメイクショーを見に行った。
そこでショーを開催していたのが、東京のカリスマ美容師「堂本一馬」さんだった。
もともと美容関係に興味があった私は、美容師になっていつか堂本さんと
働きたいという夢を抱くようになった。
しかし両親は美容専門に通う事に猛反対。
特に父親は、普通に大学へ行って就職しろと言って聞かなかった。
そこを何とか押し切った私は、地元で就職する事を条件に高校卒業後、
美容専門に通い国家資格を取得し、就職もした。
でも、私は堂本さんの事がどうしても忘れる事が出来ず、
ダメ元で受けた、堂本さんのお店「Bella gente」の中途採用に
幸か不幸か合格してしまい、地元の美容院を辞めて家出をするように
東京へ出てきたのだ。
『...人多いなぁ』
覚悟はしていたけど、人だらけ。
私は表参道にある「Bella gente」へ向かっていたが、あまりの人混みに
目が回りそうになっていた。
だめだ...。少し座ろう。
ちょうど路地裏にベンチを見つけて、腰かけた。
自分が今どんな顔色をしているか容易に想像出来て、あえて鏡は見なかった。
？「大丈夫ですか？」
ハッと我に返ると、側に1人の男性が立っていた。
男性にしては小柄だけど、154�僂靴�ない私にとってはとても大きく見える。
？「顔色悪いですよ？」
『だ、大丈夫です』
？「大丈夫そうには見えないけど...ちょっと待ってて！」
その人はどこかへ走って行ってしまったが、2〜3分で戻ってきた。
？「これ、飲んで？」
男性がずいっと前に出した右手には、スポーツ飲料が握られていた。
？「多分..軽い脱水症状だと思うから、今日暑いしね」
『で、でも知らん人から物は受け取ったらダメちて...あっ』
？「...方言？」
『あ、いや！これは...』
？「かわいいね〜！今、方言女子流行ってるし！」
恥ずかしい一面を晒してしまって口をパクパクさせていた私に、
その人は持っていたスポーツ飲料を持たせた。
？「じゃあ、俺もう行かないとだから。毒なんか入ってないからちゃんと飲むんだよ？(笑)」
男性はじゃあねと手を振って、大通りの方へと走って行った。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (
レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです！ (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shima | 作成日時：2016年7月4日 16時
