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下野さんとの騒動?があって、1ヶ月程経っていた。
手の怪我も治り、徐々に職場にも慣れてきて充実した毎日を送っていた。
下野さんとはあの日以来会っていない。
連絡先は交換したけど、それもメールのやりとりを何通かした程度。
いい加減お礼もしないといけない..自分から言い出した事だし。
今日は閉店後に堂本さんにカットを見てもらう日になっていた。
堂本「ごめんごめん、お待たせ」
1人で自主練していると、堂本さんがフロアに下りてきた。
『お疲れ様です!』
堂本「ん、じゃあ始めようか!」
2人で談笑しながらマネキンのヘアカットをしていく。
堂本「あ、これはもうちょっとこっちだよ」
『っ!!』
堂本さんの手が私の手に被さって正しい位置へ誘導される。
不意打ちの事にドキドキしすぎて、頭が追いついて行かない。
堂本「...神代さん?」
『...』
堂本「神代さーんっ」
『えっあっ...!!』
私が思わず後ずさった先で、さしっぱなしにしていたドライアーの
コードに足を引っ掛けてしまった。
確実に転んだと思ったが、全然痛くは無かった。
堂本「あぶね、」
『あっ!!ご、ごめんなさいっ』
堂本さんが私の下敷きになってくれたおかげで、私は痛みを感じる事がなかった。
堂本「(笑)、神代さん本当におっちょこちょいだな。気をつけなよ?」
そう言って、堂本さんは優しく起こしてくれた。
この時、私の顔が赤かったのは言うまでもない。
・
・
石井「ごめんね、付き合せちゃって..」
『ううん、全然大丈夫!』
今日は仕事がお休みで、晶乃ちゃんとランチを食べに行く約束をしていた。
そのついでに晶乃ちゃんの彼氏さんの、誕生日プレゼントを一緒に見に来た。
『晶乃ちゃんセンスいいから、何貰っても嬉しいと思うけどなぁ』
石井「そんな事ないって、選ぶの大変なんだよ..」
『彼氏さん幸せ者だな(笑)、そういえば何してる人なの?』
石井「..接客業かな?」
『そうなんだ〜!写真とかある??見たいな〜♪』
石井「...」
『...晶乃ちゃん?』
石井「..えっ?あ、ごめんごめん。写真は..今スマホには入ってないんだ〜。
写真があまり好きじゃないみたいで..」
『そうなんだ..また機会があったら見せてね』
石井「うん、また今度にね」
その後、晶乃ちゃんはシルバーのペンダント風アクセサリーを選んで
店員さんに包んでもらっていた。
どんな人なんだろ、晶乃ちゃんの彼氏さん...。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時