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病院から戻ると、着々と撮影は進んでいた。
片手はガチガチに固定されてしまったので、戻ってからはあまり仕事が出来なかった。
撮影が全て終了した頃には陽が傾いていた。
神谷さん達は今日は撮影で仕事が終わりという事で、スタッフの皆さんと
ご飯に行きましょうという話になり、私と堂本さんも参加させてもらう事になった。
スタッフ「お疲れ様でした〜!かんぱ〜いっ」
掘りごたつの部屋には、約10人が集まった。
私は元々アルコールが得意ではなかったので、隅っこの方でオレンジジュースを飲んでいた。
仕事で失敗してしまって、皆さんに迷惑までかけて...最低だな、私。
梶「神代さ〜ん♪、楽しんでる〜?」
梶さんがお酒を片手にスッと私の隣に座ってきた。
『あっ、お疲れ様です』
梶「なになに〜?あんまり楽しくない??」
『いや...、皆さんにご迷惑をおかけしてしまって』
梶「..そんな事気にしてたの?」
『そ、そんな事って』
梶「俺もさ、新人だった頃は失敗ばっかりしてたよ」
『梶さんも?』
梶「うん、アフレコで全然上手く喋れなくて時間が押して押して..
先輩に迷惑ばっかりかけてた(笑)」
『...』
梶「でもね、その失敗から学んだ事もたくさんあったから。
これからは同じ事がないように気を付けたらいいんじゃないかな?」
『...はい、ありがとうございますっ』
梶「うんうん!神代さんは笑ってた方が可愛いよ〜♪」
『なっ//そんな事ないです..』
梶「あ、照れた〜!ていうかさ、苗字だと堅苦しいよねっ
Aちゃんって呼んでもいい?」
『えっ...、は、はい』
梶「やった〜♪」
梶さんて、ほんとに人懐っこい人だなぁ。
神谷「な〜に2人で話してるのさ〜?」
『神谷さん』
神谷「...手、大丈夫?」
『っにゃ?!//』
神谷「(笑)、にゃって..」
『み、耳元で喋らないで下さい..』
梶「神谷さーん、Aちゃんの事いじめたらダメですよ〜!」
神谷「いじめてないわ(笑)、っていつの間に名前呼び?!俺もAちゃんて呼ぼ〜っと」
『えっ?!!』
梶「そういえば、Aちゃん飲み物無いみたいだけど..」
『あ、さっきオレンジジュース頼んで..』
神谷「あ、あれじゃない?」
向こうの方から店員さんがオレンジ色の液体が入ったグラスを運んでいるのが見えて、
神谷さんが店員さんから飲み物を受け取ってくれた。
『ありがとうございます』
私は何気なくそのグラスに口を付けた。
そこから私の意識はプッツリと途切れてしまった。
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Shima(プロフ) - すみかさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて良かったです(^ ^) (2016年8月23日 16時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
すみか - とてもいい作品でした。読んでいてたのしかったです! (2016年8月23日 16時) (レス) id: face6a46eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年7月4日 16時