80 最終話 ページ38
福山side
何となくだけど、Aちゃんの気持ちが立花君に向いている事は
薄々気づいてはいた。
それでも何とかこちらを向かせようと、自分らしくもない行動を取って
みたりもした。
でも仮にそれでAちゃんが俺を好きになってくれたとしても、
俺自身を好きになってくれた事にはならない。
きっとAちゃんは、自然体の立花君を好きになったのだろう。
病室を2人きりにするため、俺は花と花瓶を持って出たが
実は病室を出た所の壁にもたれ掛かっていた。
すると立花君が何やら中で話している。
どうやら、先ほどの手紙らしきものを読んでいるようだ。
立花君の手紙を読む最後の方の声は、震えてかすかにすすり泣く声も聞こえた。
立花「っ....、A、俺は直接..お前の口から聞きたいんだよ。
もういい加減っ、目ぇあけてくれよ！」
なぜだか立花君の涙につられて、自分も泣いている事に気がついた。
(...完敗だな)
俺は今度こそ花を生けるために、水場へ向かって歩いて行った。
・
・
・
・
？「...ぃ」
声が聞こえる。
？「...いい加減起きたらどうだ？」
知ってる、この声。
？「..ちゃん！そろそろ起きてよ〜！」
この声も。
？「今日ね〜、神谷さんがね..」
？「うるさいよ、小野君」
分かる、全部。
？「っ、くそっ」
...泣いてるの？誰？
？「...俺はお前のｋ...」
何？聞こえない..
...あれ？そういえばここどこなんだろう。
真っ暗で何も見えない。どこ？
誰もいない。ずっと走ってるのに、どこにも着かない。
何で？どうして？怖いっ、怖いよ...
誰かいないの？！誰か...
？「...A」
！！、誰か私のこと呼んでる。
またこの声だ...
？「...目ぇあけてくれよ！！」
目？私寝てるの？
だから真っ暗なの？？
じゃあ、目をあけよう。
えっと、確かあなたは....、
『んぅ..、』
立花「？！！」
『...っぁ』
立花「A？...A！！」
『..た、ちば、..な、さｎ、、』
立花「！！！」
うっすらと目をあけると、そこには愛しい人の泣き顔があった。
優しく、力強く、私を抱きしめてくれる。
懐かしい感覚、懐かしい匂い。
そう、あなたの名前は..立花さん。立花慎之介さん。
私の大好きな人。
ありがとう、ずっと傍にいてくれて。
もし良かったら、これからも私の傍にいて下さい。
あなたに出会えて、私は幸せです。
・
・
・
Fin.
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かるく(プロフ) - Shimaさん» こちらこそありがとうございました！Shima様々です本当に感謝でしかありません^ ^ (2017年2月26日 0時) (
レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
Shima(プロフ) - かるくさん» コメントありがとうございます(^ ^)どのようなタイミングでも、こうして感想やご指摘を送っていただけることはとても嬉しいですし、励みになっています！ありがとうございます！ (2017年2月24日 7時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
かるく(プロフ) - 読むのも感想も遅過ぎて申し訳ありません。 (2017年2月24日 3時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
かるく(プロフ) - この作品で感動して泣いてしまいました。改めて人間の良さについて考えましたよ、このような素敵な作品を生み出して下さり感謝しております。これからも無理の無いように活動頑張って下さい。 (2017年2月24日 3時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
Shima(プロフ) - みーさん» ご感想ありがとうございます！次作も宜しくお願いします(^ ^)！ (2016年7月6日 7時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shima | 作成日時：2016年5月2日 11時
