78 ページ36
立花side
どうやら森川さんはとっくに事情を把握してたらしい。
そして今俺たちの目の前にいるのが正真正銘、犀川楓太。
偶然にも極秘に手術、入院をしていたのが同じく中央病院だったのだ。
楓太「...俺のせいだ。俺が..Aをこんな目に」
神谷「..君のせいじゃないだろう？」
すると俺たちの方に勢いよく頭をさげた。
楓太「申し訳ありませんでしたっ」
たった1人の肉親が危険な状態に晒されている状況は誰でも辛い。
福山「...今はAちゃんの回復を祈ろう？ね？」
嗚咽交じりで泣きながら謝る犀川楓太を、福山君が背中を摩って慰めていた。
(A...、みんな悲しんでるぞ..、早く戻って来い..A)
・
・
・
・
Aが入院して2ヶ月が経った。
ICUから一般病棟の個室に移ったものの、Aの意識はまだ戻らない。
自発呼吸はしているため、脳死の判定はまだ出されていないが
不安は募る一方だった。
あれから色んなことがあった。
まず本物の犀川楓太が退院し、少し時間があいたものの
Aと入れ替わるように声優の仕事に復帰した。
Aが代わりに頑張ってくれていた分、自分も恥じないよう
頑張ると意気込んで精を出してる。
そして...あの倉庫で起きた事件の犯人が逮捕された。
黒崎菜々とマネージャーの深谷沙織。
マネージャーの深谷さんは傷害罪、黒崎は教唆、殺人の罪に問われている。
深谷さんは自分の過ちと、黒崎を止められなかった事を後悔し大いに反省して
いるらしいが、黒崎は自分の罪も認めず反省している様子もないという。
深谷さんの証言でAを襲った2人の男も逮捕されたそうだ。
立花「...なぁ、そろそろ起きたらどうだ？ん？」
俺は、酸素マスクをして呼吸はしているが微動だにしないAに話しかける。
もちろん返事が返ってくる事はない。
先生によると、意識はなくても声は聞こえているそうでたくさん話しかけて
あげてくださいと言われた。
神谷さんや小野君、福山君、森川さんにシスターの清恵さん、
DABAのメンバーも頻繁にお見舞いに来ていて、Aの横で他愛もない話をしてやる。
俺と楓太は暇を見つけては病院に通う日々を送っている。
楓太はたまに病院に泊まっているそうだ。
ガラガラッ
扉が開く音がしたと思ったら、花を持った福山君が入ってきた。
福山「お疲れ様」
立花「お疲れ、綺麗な花だね」
福山「でしょ？..立花君、ちゃんと休んでる？」
心配してくれた福山君に、クマでも出来てる？と笑って見せた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かるく(プロフ) - Shimaさん» こちらこそありがとうございました！Shima様々です本当に感謝でしかありません^ ^ (2017年2月26日 0時) (
レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
Shima(プロフ) - かるくさん» コメントありがとうございます(^ ^)どのようなタイミングでも、こうして感想やご指摘を送っていただけることはとても嬉しいですし、励みになっています！ありがとうございます！ (2017年2月24日 7時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
かるく(プロフ) - 読むのも感想も遅過ぎて申し訳ありません。 (2017年2月24日 3時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
かるく(プロフ) - この作品で感動して泣いてしまいました。改めて人間の良さについて考えましたよ、このような素敵な作品を生み出して下さり感謝しております。これからも無理の無いように活動頑張って下さい。 (2017年2月24日 3時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
Shima(プロフ) - みーさん» ご感想ありがとうございます！次作も宜しくお願いします(^ ^)！ (2016年7月6日 7時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Shima | 作成日時：2016年5月2日 11時
