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立花side
時計の針が夜中の12時を回った頃、大阪でのロケが終わり
宿泊先のホテルに着いた。
朝早くから始まったロケ、クタクタになった俺は
ベッドにダイブ。
そんな中ブログを更新しようとスマホを手に取ると、
小野君からメールが入っていた。
眠い目を擦りながら、その内容を読むと
怖いほどに目が冴えてきてしまった。
(あいつ..大丈夫なのか..
福山君に電話してみるか)
焦る気持ちを落ちつかせ、俺は福山君に電話をかけた。
遅い時間にもかかわらず、福山君は電話に出てくれた。
そして福山君の口から告げられたのは..
今日、念のため部屋に泊めてもらった事。
今は落ち着いて部屋で眠っている事。
...彼女が好きだという事。
その言葉を聞いた瞬間が、自分の気持ちに確信を
もった瞬間だった。
(俺...あいつの事好きなんだ)
こんな時に側にいてやれず、あいつよりもずっと
人生経験を積んできた自分が、他人の気持ちを聞いて、
今更になって自分の気持ちに気づいた情けなさ。
(とりあえず、明日大阪から戻ったら会いに行こう..
でも、俺にそんな資格あんのか?
...福山君の方がよっぽど)
俺は完全に自信を失っていた。
・
・
翌朝、あまり寝付けずボーっとした頭を
覚ます為、冷水で顔を洗った。
(あ、小野君に連絡くれたお礼言ってなかったな)
俺はタオルで顔を拭きながら、スマホを手に取り
小野君にメールを打った。
すると5分程後、小野君から電話がかかってきた。
小野「おはよ〜」
立花「おはよ、昨日ありがとね」
小野「いえいえ〜...立花君」
立花「ん?何?」
小野「...(笑)、しょげないでよBaby〜♪」
立花「...何それ、てか自分で笑ったよね?」
小野「(笑)、ごめん耐えられなかった」
立花「何だよそれ(笑)」
小野「...そんな顔で会いに行っちゃいかんよ?」
立花「えっ?」
小野「Aちゃん、大変な目にあったんだから。
そんなんで会いに行ったら、逆に心配されるでしょうが」
立花「あ...でも」
小野「立花君、何歳?」
立花「え...38になりました」
小野「Aちゃんは?」
立花「...20?」
小野「あんたがしっかりしないでどうすんだよ」
立花「っ!!」
小野「..てへ、なんつって♪」
立花「小野君..」
小野「前も言ったけど、俺は誰の味方とか
そんな事はしない。
でも、女の子困らせちゃダメだよ?」
立花「..ありがと、小野君」
小野「ん(^^)、じゃあねっ」
ほんの数分間の電話。
それは俺にとって大事な大事な数分間だった。
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かるく(プロフ) - Shimaさん» こちらこそありがとうございました!Shima様々です本当に感謝でしかありません^ ^ (2017年2月26日 0時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
Shima(プロフ) - かるくさん» コメントありがとうございます(^ ^)どのようなタイミングでも、こうして感想やご指摘を送っていただけることはとても嬉しいですし、励みになっています!ありがとうございます! (2017年2月24日 7時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
かるく(プロフ) - 読むのも感想も遅過ぎて申し訳ありません。 (2017年2月24日 3時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
かるく(プロフ) - この作品で感動して泣いてしまいました。改めて人間の良さについて考えましたよ、このような素敵な作品を生み出して下さり感謝しております。これからも無理の無いように活動頑張って下さい。 (2017年2月24日 3時) (レス) id: 648613ca5f (このIDを非表示/違反報告)
Shima(プロフ) - みーさん» ご感想ありがとうございます!次作も宜しくお願いします(^ ^)! (2016年7月6日 7時) (レス) id: da5ff44bdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shima | 作成日時:2016年5月2日 11時