声優ですね (ページ38)

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神谷「よかった、切り傷にはなってないね。
一応消毒だけしておくか」

神谷さんは消毒液を含ませた脱脂綿を
ピンセットで挟み、おでこに軽くつけた。

神谷「痛くない？」

『はい、大丈夫です』

すると背中に何かが擦り寄られた感覚がして、
身体がビクリと跳ねた。

にゃ「にゃ～」

(？？にゃあ？)

神谷「にゃーさん、ダメだよ。
楓太君びっくりするだろ？」

その声の主は、青みがかったとても綺麗な
毛並みの猫だった。

『かわいい..』

神谷「猫好き？」

『はい、動物大好きです(^^)』

神谷「よかった(^^)
この子はオスのロシアンブルーのにゃーさんっていうんだ。
ほんとの名前はにゃんこ先生っていうんだけど、
呼ぶときはにゃーさんって言ってる」

『にゃーさんっていうんですね(^^)
よろしくね、にゃーさん』

するとにゃーさんは、座っている私の膝に
擦り寄ってきてゴロゴロと鳴いた。

神谷「すごいなぁ。
にゃーさんはオスだから、主人の僕以外の男の人には
なかなか懐かないんだけど..」

ビクッ

『そ、そうなんですか？
僕、女の人だと思われてるのかな～？；』

神谷「あはは(^^)
そうだとしたら、にゃーさん失礼だぞ(笑)」

(ど、動物は正直すぎる..)

あれこれ話しているうちに神谷さんの処置は終わり、
最後にガーゼパッドを貼ってもらった。

神谷「これもう1枚渡しておくから、
お風呂入った後に貼りかえるんだよ？」

『はい、ありがとうございました』

私は早めに失礼しようと扉の方まで
歩いて行った。

『あ、そうだ神谷さん！シャツ..』

神谷「..あ、そうだったね(^^;)
うーん....いっかここで！」

そういうと、神谷さんはおもむろに
その場でシャツを脱ぎ、提げてあった
空の紙袋にバサッと入れた。

もちろんシャツの下は何も着ていない。
目を丸くしたが、何とか声を発する事は抑えた。

神谷「じゃあ、宜しくお願いします(^^)」

『はい、お預かりします』

目線を下に下げたまま、紙袋を受け取った。

神谷「..ごめんね、おじさんの裸なんか
見なくないわな;」

『っ！そ、そうじゃなくて！』

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

すぐに否定しようとしたが、いいタイミングで
インターホンが鳴った。何度も..

神谷「...小野君(-"-)」

『えっ？』

神谷「これだけ連打するするのは小野君しかいないんだっ」

ガチャッ

小野「やっほ～神谷さん！
一緒に飲まな..え？これはどういう..」

(小野さん..すごいタイミング..)