分岐点10 ページ11
九「相手に走り負けたという事ですか?」
伊「だー!!ちょっと、セイセイセイ。九重くん!
俺ちゃんと話したよね。話聞いてた?
相手は1人じゃなかったの!
暗かったし俺も走ってた時は夢中だったから分かんなかったけど、角を曲がる度に別の奴にチェンジしてたっ!」
九「ふーん、証拠は?」
伊「ない。ふいんきが違った」
九「ふんいき」
伊「あのね、最初の奴と公園を最後に出た奴は絶対違った。ふいんきだけど」
九「ふんいき。」
伊「分かってるよ、証拠もないのにふいんきで決めつけるなって志摩みてぇな事言いてぇんだろ?」
九「私はふんいきだと」
伊「何お前、どうしたの急に。ふいんき魔人かよ…怖いわ〜」
私は、いつもの風景だろうと、2人の話を無視し、片付けを進めた。
陣「あいつら一体何揉めてんだ?」
志「404の車内はいっつもこんな感じです。」
伊「いんや、キュウちゃんより志摩の方が優しい」
九ちゃん・・・可愛い。
九「キュウちゃん??」
志「優しくしてるつもりはない。俺は諦めてるだけ」
伊「ほら見ろ。いぇーい」
『ん?』
私も思わず手を止めてしまった。
九「褒めてないですよ」
伊「は?」
志「全く褒めてない」
伊「うっそ…」
片付けた机にお皿を置くと
陣「おっしゃ飯だ飯だ!よっしゃ、食らえ〜!」
そんなことを言っている間に陣馬さん特製の夕食ができた。
伊「いただきまーす、美味そー!!」
九「読み方はふいんきではなくふんいきです」
伊「はぁ?何が。」
九「見てください、どちらが正しいか。」
九重さんは、スマホでどちらが正しいか、伊吹さんに見せた。
陣「やかましい!もー、ふいんきでもふんいきでもどっちでもいいよ!」
伊「ほんとだよ」
陣「逃げられたんだろ?」
伊「え?」
陣「伊吹の言い分も確かめようがないんだから、ほら食え」
志「犯人役の逃げていた男は全部で4人。
全員同じ服装で同じキャップでリレーして走ってた」
伊「うわっ、流石志摩信じてくれたー!」
志「ううん、信じてない。この目で見た。」
『私も見た。』
「「は?」」
志「俺たちの前から逃げた男と同じ服装の男は全部で4人
誰も気づいてなかったけど、使用した自販機はよりによって見守り自販機だった。
防犯カメラにばっちり顔が写ってるはずです』
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作者名:九十九 | 作成日時:2020年9月13日 17時